【サンダーボルツ* ネタバレ】ボブの正体とヴォイドはなぜ抱きしめて倒せた?——タスクマスターを撃った犯人・「*」の意味・おまけ映像2つ

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サンダーボルツ*のネタバレ解説記事のアイキャッチ画像。夜の街を黒い影が飲み込む中、身を寄せ合う6人の後ろ姿と「ヴォイドはなぜ抱きしめて倒せた?」のコピー

この記事は、ボブ(セントリー)とヴォイドの正体・タスクマスターの死・結末・おまけ映像まで含む核心のネタバレを扱います。
まだ観ていない方は、先に本編をご覧になることをおすすめします。

結論から言うと、『サンダーボルツ*』は、口封じされかけたはみ出し者たちが、暴走したボブの裏人格ヴォイドを「全員で抱きしめる」ことで止める物語です。最後はCIA長官ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(ヴァル)の記者会見で、チームは「ニュー・アベンジャーズ」として発表されます。タイトルの「*」はこの新チーム名を伏せた印で、主要メンバーで命を落とすのはゴーストに撃たれたタスクマスターだけです。

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)、最近ちょっと追えていない——。そんな人ほど、2026年12月18日公開予定の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』を前に「サンダーボルツって結局どんな話?」と気になっているはずです。正直、私も公開前は「ブラック・ウィドウの残りメンバーを集めただけの映画かな」と身構えていた1人でした。

※配信状況は2026年10月時点の情報です。

💡この記事でわかること
  • 結末までのあらすじと、主要キャラの生死(死ぬのは誰か)
  • ボブ(セントリー)とヴォイドの正体、抱きしめて決着した理由
  • タスクマスターを撃ったのは誰か、監督が語った退場の理由
  • タイトルの「*」の意味と、ニュー・アベンジャーズ発表の皮肉
  • おまけ映像2つの内容と、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』へのつながり
  • 日本での興行収入と賛否、見放題で観られる配信サービス

この記事を書いた人
藤沢あかり——MCU作品を公開順に劇場と配信で追いかけてきた映画ライター。『サンダーボルツ*』は2025年5月の公開時に劇場で2回、ディズニープラスの配信開始後にもう1回観て、前作『ブラック・ウィドウ』とドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』とも見比べました。初見ではタスクマスターの退場にただ驚くだけだった側の人間です。

サンダーボルツ ネタバレのサンダーボルツ*結末までの時系列
目次

サンダーボルツ*は結局どんな話? 4人の口封じからニュー・アベンジャーズ誕生までを時系列で

証拠を消したいヴァルに互いを始末させられかけた4人が、謎の青年ボブと出会います。そして暴走したボブを止め、ニュー・アベンジャーズになるまでの物語です。

作品データ早見

項目内容
原題Thunderbolts*
監督ジェイク・シュライアー
脚本エリック・ピアソン、ジョアンナ・カロ
製作ケヴィン・ファイギ
日本公開2025年5月2日(日米同時公開)
上映時間127分
シリーズでの位置MCU映画36作目・フェーズ5の最終作
前作/次作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』/『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』
日本の興行収入11.3億円

監督のジェイク・シュライアーは、ドラマシリーズ『BEEF/ビーフ』を手がけた人物です。派手なバトルより、傷を抱えた人間同士のやり取りに時間を使う作りは、この経歴を知ると腑に落ちます。

登場人物とキャスト(日本語吹替)

役名俳優日本語吹替本作での立場
エレーナ・ベロワフローレンス・ピュー田村睦心レッドルーム出身の元暗殺者。ヴァルの汚れ仕事を請け負う
バッキー・バーンズ(ウィンター・ソルジャー)セバスチャン・スタン白石充アメリカ下院議員。ヴァルの弾劾を進める
ジョン・ウォーカー(U.S.エージェント)ワイアット・ラッセル鈴木達央元2代目キャプテン・アメリカ。ヴァルの工作員
エイヴァ・スター(ゴースト)ハナ・ジョン=カーメン田中理恵物質をすり抜ける工作員
アントニア・ドレイコフ(タスクマスター)オルガ・キュリレンコ中村千絵ヴァルの工作員。レッドルームの長ドレイコフの娘
アレクセイ・ショスタコフ(レッド・ガーディアン)デヴィッド・ハーバー大塚明夫旧ソ連の超人兵士。エレーナの父親代わり
ボブ(ロバート・レイノルズ)/セントリールイス・プルマン梶裕貴記憶を失った謎の青年
ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(ヴァル)ジュリア・ルイス=ドレイファス藤貴子CIA長官。OXE社の元CEO
メルジェラルディン・ヴィスワナサン伊瀬茉莉也ヴァルの助手

人物関係で混同されやすいのが、エレーナの家族です。エレーナはナターシャ・ロマノフ(初代ブラック・ウィドウ)の義妹で、2人に血のつながりはありません。アレクセイも実の父ではなく、かつてソ連の潜入任務で父親役を務めた「父親代わり」です。

ヴァルの口封じ——4人が同じ保管庫に送り込まれる

物語の始まりはマレーシアのクアラルンプールです。エレーナは、CIA長官ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(以下ヴァル)の依頼で研究所を破壊します。ヴァルは、自分が関わったOXE社の人体実験「セントリー計画」の証拠を消そうとしていました。

議会では、ヴァルの弾劾が迫っています。追い詰められたヴァルは、エレーナ、ジョン・ウォーカー、エイヴァ・スター、アントニア・ドレイコフの4人を同じOXE社の保管庫へ送り込みました。全員、ヴァルの汚れ仕事を請け負ってきた工作員です。与えられた命令は、互いを始末すること。

乱戦のなか、アントニア(タスクマスター)はエイヴァ(ゴースト)に撃たれて命を落とします。同じ部屋では、カプセルから記憶のない青年ボブが目を覚ましました。

残った3人は、自分たちが証拠ごと焼却されるために呼ばれたと気づき、手を組んで脱出を図ります。このとき、ボブに触れたエレーナとウォーカーは、一瞬だけ自分の最悪の記憶を見せられました。この奇妙な現象が、終盤への伏線になっていきます。

ボブを連れた脱出と「サンダーボルツ」の名乗り

ヴァルは、ボブが死んだと思われていたセントリー計画の被験者だと知ります。現場に乗り込んできたヴァルの部隊に対し、ボブは自ら囮になって銃撃を引きつけ、エレーナたちを逃がしました。

ところがボブは、撃たれても無傷のまま、制御できずに空高く浮かび上がります。施設に墜落したボブは捕らえられ、ニューヨークの旧アベンジャーズ・タワー、いまの「ウォッチタワー」へ運ばれていきました。

一方、運転手として働いていたアレクセイ・ショスタコフは、ヴァルの企みを耳にしてエレーナたちを救い出します。ここで一行は「サンダーボルツ」と呼ばれるようになります。由来は、エレーナが子どものころに入っていた、1勝もできなかったサッカーチームの名前です。

ウォッチタワーで何が起きた? ヴォイドの出現から記者会見まで

ヴァルの助手メルから情報を得た下院議員バッキー・バーンズは、一行を捕らえて弾劾の場で証言させようとします。しかしメルがボブの身を案じたことから、全員でニューヨークのウォッチタワーへ潜入することに。そこにいたのは、ヴァルに説得されてヒーロー「セントリー」になったボブでした。

ボブは一行を軽々と圧倒しますが、始末しろというヴァルの命令には従わず、脅威ではないとして見逃します。ここから先、ボブがヴァルに背いて裏人格「ヴォイド」が現れ、ニューヨークが闇に覆われます。チームが闇の中でボブを救い、最後はヴァルの記者会見で「ニュー・アベンジャーズ」として発表される——。この終盤の流れは、次の見出しから1つずつ詳しく解説します。

おたくライター

2回目を観るなら、保管庫でボブに触れたエレーナとウォーカーが一瞬だけ最悪の記憶を見せられる場面に注目してください。初見の私は「謎の青年の不思議な体質」くらいに流していました。終盤の闇の中で人々がそれぞれのトラウマに閉じ込められると知ってから見返すと、あの一瞬がヴォイドの予告だったと分かります。

ボブ(セントリー)の正体は? 裏人格ヴォイドが生まれた理由

ボブは、OXE社の「セントリー計画」で超人になった被験者です。ヴォイドは、彼が抱えていた鬱や不安が実験で増幅されて生まれた、破壊的なもう1人の人格でした。

死んだと思われていた被験者——セントリー計画の生き残り

本名はロバート・レイノルズ。演じるのはルイス・プルマン、日本語吹替は梶裕貴です。カプセルから目覚めた時点では記憶を失っていて、「ボブ」と名乗るだけの頼りない青年でした。

正体は、セントリー計画で死んだと思われていた被験者。撃たれても傷ひとつ負わないその力に目をつけたヴァルは、彼をアベンジャーズに代わる無敵のヒーロー「セントリー」として売り出そうとします。

金髪に黄色いスーツ、青いマントという姿は、コミック『Sentry #1』(2000年)に沿ったものだと、シネマトゥデイの解説記事が紹介しています。拠点の名前「ウォッチタワー」もコミック由来です。

ヴォイドとは何者? 鬱と不安が形になった「もう1人のボブ」

ヴォイドは、ボブの破壊的な裏人格です。英語版Wikipediaは、ヴォイドをボブの鬱と不安の具現だと説明しています。それがセントリーの施術によって増幅された、という位置づけです。

つまりヴォイドは、外からやって来た敵ではありません。ボブの内側にもともとあった闇が、超人化と同時にとてつもない力を持ってしまった存在です。

ヴォイドの力は、街を闇で覆い、人々を影に変えるというもの。影にされた人は、それぞれの過去のトラウマの記憶に閉じ込められます。保管庫でエレーナたちが一瞬見せられた最悪の記憶は、この力の小さな前触れでした。

強すぎるヒーローが、なぜ自分から崩れたのか

ボブが崩れていくきっかけは、ヴァルに与えられた「ヒーロー」という役割そのものでした。神のような優越感を抱いたボブは、ヴァルの言いなりになることを拒みます。そしてメルがキルスイッチで止めた直後に、ヴォイドが表に出てきました。

ここが本作の皮肉だと私は感じます。ヴァルは「アベンジャーズ以上の力」を手に入れたつもりでした。けれどその力の裏側には、本人でさえ手に負えない影がぴったり張りついていたわけです。

ヴォイドを「ボブを乗っ取った別の悪役」として観ると、終盤の決着はご都合主義に見えてしまいます。私も初見ではそう受け取り、抱擁で終わる展開に少し肩透かしを感じました。強さと脆さを同じ人物の表と裏として描いたからこそ、最後が殴り合いにならない——そう腑に落ちたのは2回目です。

ヴォイドはなぜ殴らず「抱きしめて」倒せたのか? ラストの決着の意味

ヴォイドは、ボブ自身の鬱と不安、そして孤独そのものだからです。力で殴り返すほどボブは闇に飲まれ、仲間が抱きしめて「信じている」と伝えたことで、ようやく自分を取り戻せました。

エレーナが自ら闇に入った理由——アーニャの記憶

ヴォイドを止めるには、闇の内側から止めるしかありませんでした。だからエレーナは、自分から闇の中へ入っていきます。

闇の中でエレーナが向き合うのは、ブラック・ウィドウとして育てられた過去です。レッドルームの最初の試験で、彼女は友人の少女アーニャを森へ誘い出しました。待ち構えていた工作員がアーニャを撃ち、エレーナは試験に「合格」してしまう。ずっと消えなかった記憶です。

冒頭、マレーシアの高層ビル「ムルデカ118」から飛び降りるエレーナは、心が空っぽのまま任務をこなしていました。誰かを傷つけた記憶を抱え、空っぽのまま生きてきた。その意味で、エレーナとボブは似た者同士です。

ボブの子ども部屋と、たどり着いた実験室の記憶

エレーナがボブを見つけたのは、子どものころの寝室を再現した場所でした。虐待する父親から、幼いボブが隠れていた部屋です。

合流したほかのメンバーとともに、一行はボブのトラウマや薬物依存の記憶を通り抜けていきます。そして最後に、クアラルンプールの実験室でセントリーの施術を受けた記憶にたどり着き、そこでヴォイドと対面しました。

一行は、すぐに圧倒されます。ボブ本人が反撃しようとしても、戦うほど闇に飲み込まれそうになっていく。力で押し返すほど悪化するという構図そのものが、ヴォイドの正体を物語っています。

全員で抱きしめるという決着が示すもの

そこでサンダーボルツが選んだのは、ボブを抱きしめることでした。一人ひとりがボブを抱きしめ、あなたを信じていると伝えます。その言葉に支えられて、ボブは自分を取り戻し、ヴォイドを克服しました。

殴って倒せる敵なら、アベンジャーズ級のパワーが要ります。でもヴォイドは、ボブが抱えてきた鬱と不安そのものでした。必要だったのは強い誰かではなく、同じように過去に傷を抱えた者たちがそばにいることだったんです。

エレーナを演じたフローレンス・ピューは、チームの描かれ方についてこう語っています。

少し頑固な彼らが、次第にお互いに頼り合い、信頼し合い、支え合うようになるのを見るのも、本当に素晴らしいんです。美しいメッセージだと思います

出典: 『サンダーボルツ*』国内興行収入10億円突破! – マーベル公式, 2025年5月19日(フローレンス・ピューの発言)

殺し合いを命じられて出会った者たちが、最後は1人を抱きしめて救う。始まりと終わりが、きれいな対になっています。ヒーロー映画のクライマックスとしては異例ですが、本作のテーマにはこれしかなかったと私は思います。

おたくライター

抱擁の場面で泣けなかった人は、序盤のタスクマスターの退場を思い出してみてください。私は2回目に観たとき、あの容赦ない退場があるからこそ「誰も見捨てない」この決着が効いていると気づきました。1人が使い捨てにされた冒頭と、全員で1人を引き戻す結末。並べて観ると、抱擁の重さがまるで違って見えます。

タスクマスターはなぜ序盤で殺された? 撃ったのはゴースト——監督が語った理由

タスクマスター(アントニア・ドレイコフ)は、保管庫の乱戦でゴースト(エイヴァ・スター)に撃たれて死にます。主要メンバーで命を落とすのは彼女だけで、監督は殺し屋たちの物語として命の重さを示す必要があったと説明しています。

実行犯はゴースト——4人を同じ場所に送ったのはヴァル

ここは混同されやすいので、はっきり分けておきます。タスクマスターを撃ったのは、エイヴァ(ゴースト)です。そして、互いを始末させるために4人を同じ保管庫へ送り込んだのはヴァルでした。

手を下した人物と、状況を仕組んだ人物は別。エレーナやジョン・ウォーカーが殺したわけではありません。

アントニアは、前作『ブラック・ウィドウ』で、レッドルームの長ドレイコフの娘として登場した人物です。父の支配から解放され、エレーナとともに姿を消したはずでした。それが本作では、ヴァルの工作員として冒頭で退場してしまいます。

死亡者の整理——主要メンバーで死ぬのはタスクマスターだけ

本作で命を落とす主要人物は、タスクマスターだけです。エレーナ、バッキー、ジョン・ウォーカー、エイヴァ、アレクセイ、ボブは全員生き残ります。

黒幕のヴァルも、助手のメルも生存。ヴォイドに影へ変えられたニューヨークの人々は、ボブがヴォイドを克服したあとに解放されました。

死者が少ないぶん、序盤の1人の死がずっと重く残る構成です。

監督が明かした「退場させた理由」

タスクマスターの扱いは、公開直後からファンの不満が集まったポイントでした。監督のジェイク・シュライアーは、米Varietyのインタビューでこの判断に触れています。インタビューを紹介したScreenRantの記事から、一節を引用します。

It’s not something we did lightly.

出典: Thunderbolts* Director Responds to Fan Backlash Over Taskmaster’s Controversial Death – ScreenRant(Varietyのインタビューを紹介した記事), 2025年7月27日

軽い気持ちで決めたことではない、という意味です。監督は同じインタビューで、2023年のストライキ後に脚本を作り直した際、殺し屋たちの物語なのに少し「血の気がない」と感じたと説明しています。

彼らにとって殺しは日常で、自分たちの命にもさほど価値がないと感じている。それを見せるための判断だった、という趣旨です。不満を伝えてきたファンの気持ちも理解している、とも語っていました。

タスクマスターの死が物語に残したもの

私は、この退場には2つの役割があったと考えています。

1つ目は、ヴァルが本気で4人を消しに来ているという緊張感です。開始早々に1人が倒れることで、「この映画は誰が死んでもおかしくない」という空気が生まれます。

2つ目は、タスクマスターの末路が、エレーナ、ゴースト、ウォーカーの誰にでも起こり得たものだという点。ヴァルにとって彼らは使い捨ての駒にすぎません。その駒たちが最後にはヴァルの首根っこを押さえるのだから、序盤の死があってこそ逆転が際立つわけです。

とはいえ、『ブラック・ウィドウ』で救われたはずの彼女が報われないまま退場する点は、私もいまだに少し引っかかっています。この賛否は、あとの見出しで紹介する5ch(旧2ちゃんねる)の反応にもはっきり出ていました。

タイトルの「*」は何を伏せていた? ニュー・アベンジャーズ発表と「we own you now」の皮肉

「*」は、終盤でチームが「ニュー・アベンジャーズ」として発表されることを伏せた印です。エンドクレジットでは、題名が『The New Avengers』に変わります。

ポスターに書かれていた「*THE AVENGERS ARE NOT AVAILABLE」

公開前から、この「*」は話題になっていました。マーベル公式によると、ポスターのタイトルロゴの下には「*THE AVENGERS ARE NOT AVAILABLE」(アベンジャーズは不在)という注意書きが、アスタリスクと共に記されていました。

アベンジャーズがいないから、代わりの寄せ集めが呼ばれる。そう読ませておいて、実はその寄せ集めこそが新しいアベンジャーズになる。注意書きの「*」が本編のラストでひっくり返る、という仕掛けです。

ちなみに公式の題名は、エンドクレジットの変化を経ても『サンダーボルツ*』のまま。「*」は、観終わった人にだけ意味が分かる記号として残されています。

ヴァルの記者会見は「勝ち逃げ」なのか?

ヴォイドを退けたあと、一行はヴァルを捕らえようとします。ところがヴァルは先回りして記者会見を開き、チームを「ニュー・アベンジャーズ」として発表。ニューヨークを救った手柄を、自分のものにしてしまいます。

ヴァルが逮捕される場面はありません。弾劾から逃れたまま、新チームの「生みの親」に収まったように見えます。

ただ、本作はここで終わりません。チームは発表に乗りながら、エレーナがヴァルに小声でこう告げるのです。英語の原文は「we own you now」。日本語にすれば「これからはこっちがあなたを握っている」といった意味になります。

ヴァルが証拠ごと消そうとした面々は、彼女の汚れ仕事を知る生き証人です。その彼らが、いまや世間公認のヒーローになった。もうヴァルは、彼らを口封じできません。表向きはヴァルの勝ち、実際に首輪をつけられたのはヴァルのほう——これが「*」に隠された本当の皮肉だと私は読んでいます。

本家とニュー・アベンジャーズの顔ぶれは、アベンジャーズのメンバー一覧と今の状況をまとめた記事で整理しています。

チーム名「サンダーボルツ」の由来は、1勝もできなかったサッカーチーム

「サンダーボルツ」という名前は、エレーナが子どものころに所属していたサッカーチームから来ています。しかもそのチームは、1勝もできなかったチームでした。

負け続けたチームの名前を背負った負け犬たちが、最後には「ニュー・アベンジャーズ」と呼ばれる。名前の変化そのものが、彼らの敗者復活の物語になっています。

なお、誰が最初にこの名前で一行を呼んだかは、解説によって書き方が分かれます。本記事ではそこを断定しません。

おまけ映像は2つ——シリアル箱と「4」の宇宙船は何を意味する?

おまけ映像は、エンドロール途中のミッドクレジットと、最後のポストクレジットの2つです。ポストクレジットでは14か月後のチームの前に「4」の紋章の宇宙船が現れ、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』へつながっていきます。

ミッドクレジット——アレクセイとニュー・アベンジャーズのシリアル箱

1つ目は、アレクセイが主役のコミカルな場面です。スーパーのシリアル売り場で、アレクセイは「ニュー・アベンジャーズ」の箱を手に取り、居合わせた客に勧めます。けれど相手にされず、客は去ってしまいました。

これは予告編の回収です。マーベル公式が公開した本予告で、アレクセイは「ヒーローとしてシリアルの箱に印刷される!」と夢を語っていました。その夢が、思っていたのとは少し違う形でかなったわけです。ヒーローになりたかった中年男の、ささやかで少し切ない勝利の場面だと思います。

ポストクレジット——14か月後、サムとの名前の揉め事と「4」の宇宙船

2つ目は、本編の14か月後です。ニュー・アベンジャーズは、自分たちのアベンジャーズを持つサム・ウィルソン(キャプテン・アメリカ)と、「アベンジャーズ」という名前をめぐって揉めています。英語版Wikipediaによれば、サム側から商標侵害で訴えられているという状況です。

そこへ、基地のモニターが接近する宇宙船を捉えます。現れたのは、側面に大きな「4」の紋章を付けた宇宙船。エレーナは、それが余剰次元から来たものだと口にします。「4」はファンタスティック・フォーの印です。

このポストクレジットは、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』を撮影中だったルッソ兄弟が演出したとされています。シネマトゥデイの解説も、この場面がドゥームズデイに直結すると紹介していました。

次に観るなら『ファンタスティック4』と『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』

本作の次に公開されたMCU映画が、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』です。そして『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』は、2026年12月18日に日米同時公開予定です。

2025年3月27日に発表されたドゥームズデイの出演者には、セバスチャン・スタン、フローレンス・ピュー、デヴィッド・ハーバーの名前がありました。ハナ・ジョン=カーメン、ルイス・プルマン、ワイアット・ラッセルも含まれています。本作のメンバーを演じた俳優たちが、次のアベンジャーズ映画にも名を連ねているわけです。

MCU全体の中で本作がいつの出来事なのかは、アベンジャーズの時系列を年表で整理した記事で確認できます。

おたくライター

配信で観るときも、エンドクレジットは早送りしないでください。劇場で初めて観た私は、ミッドクレジットのシリアル箱で笑って気が緩み、危うく席を立ちかけました。最後まで残ったおかげで「4」の宇宙船に間に合い、予告編の「シリアルの箱に印刷される!」という台詞まで一本の線でつながったんです。

評価と興行はどうだった? 日本11.3億円と、タスクマスター・ラストのオチで分かれた賛否

日本の興行収入は11.3億円で、2025年の洋画では11位でした。はみ出し者たちの優しい物語を評価する声がある一方、タスクマスターの扱いや終盤の解決方法には不満も見られます。

数字で見る評価と興行

項目数字
日本の最終興行収入11.3億円(2025年の洋画11位)
国内成績(2025年5月19日発表)興行収入10億2,227万円・動員62万9,297人
全世界の興行収入3億8,240万ドル
製作費1億8,000万ドル

日本では2025年5月19日の発表時点で10億円を超え、最終的に11.3億円まで伸ばしました。ただ製作費1億8,000万ドルの大作としては、MCUの中で興行的に振るわなかった作品とされています。

それでも、満足度は数字だけでは測れません。エレーナ役のフローレンス・ピューは、観客が彼らに惹かれる理由をこう語っていました。

彼ら全員が過去に過ちを犯し、心の中に悪魔や後悔を抱えている。だからこそ、私たちは彼らに好感を抱くんです

出典: 『サンダーボルツ*』国内興行収入10億円突破! – マーベル公式, 2025年5月19日(フローレンス・ピューの発言)

一方で、派手なチームアクションを期待した人ほど、終盤が精神世界の話になる構成に戸惑いやすい作品でもあります。その温度差は、媒体ごとの反応にもよく表れていました。

X(旧Twitter)での感想——「キャラが好き」と「タスクマスターが惜しい」に分かれた

2026年9月の投稿では、キャラクターを楽しむ声と、タスクマスターの退場に納得できない声が並んでいました。公開直後には、厳しい評価も見られます。

  • 観終わって感想はいろいろあるが、まずタスクマスターが死ぬ必要はあったのかという疑問
  • 実は高齢のバッキーが若者にしれっと混ざっている所や、ナターシャの墓参りをするエレーナが地味にかっこいいという声
  • むしろMCUをほとんど知らない人のほうが楽しめる、という感想
  • 公開直後の2025年5月には、話が退屈なうえ鬱の描き方にも納得できなかったという厳しい評価

キャラクターを推す声が目立つのは、本作が戦闘より会話に時間を割いているからでしょう。一方、ヴォイドという大きな比喩で心の問題を描いた以上、鬱の描き方の受け止めが割れるのも自然だと思います。

Yahoo!知恵袋で多かった疑問——「*」の意味とニュー・アベンジャーズのその後

知恵袋では、結末のあとの世界を確かめる質問が多く見られました。

  • 公開直後の2025年5月、タイトルの「*」はどういう意味か、ニュー・アベンジャーズになったら「*」は前に付くのかという質問
  • 同じく公開直後、ニュー・アベンジャーズをサムが認めない理由や、本家との今後を問う質問
  • 2025年8月28日、観たけれど勝ち目がなさすぎないか、今のMCUでボブに勝てる人はいるのかという質問
  • 公開前の2025年2月、MCU初心者がどの作品から観ればいいかを尋ねる質問

「*」の質問は、こう書き出されていました。

サンダーボルツのタイトルに*がついていますが、どういう意味ですか?

出典: 「サンダーボルツのタイトルに*がついていますが、どういう意味ですか…」 – Yahoo!知恵袋の質問(2025年5月)

疑問が「*」とニュー・アベンジャーズの今後に集まるのは、本作が答えをラストの数分とエンドクレジットに置いているからです。題名が変わる演出も、ポストクレジットのサムとの揉め事も、見逃すと意味がつながりません。ボブの強さへの疑問は、ヴォイドが「力では倒せない敵」として描かれたことの裏返しでもあります。

5ch(旧2ちゃんねる)での評価——公開初日からタスクマスターの扱いとラストのオチで割れた

公開初日のスレッドでは、面白かったという声と並んで、タスクマスターの扱いへの不満が多く見られました。

  • 観終わったがいまひとつで、タスクマスターの扱いがあれでいいのかと疑問を投げる書き込み
  • 落ちこぼれや訳ありの連中が協力する話が好きで面白く観られ、直前のキャプテン・アメリカ新作よりかなり好きという書き込み
  • ヴァルが窮地をしのいだように見えて、実は彼らを処分できなくなり劣勢に立ったというオチが面白いという書き込み
  • 弾劾が不発に終わり、殺されかけた側がヴァルをCIA長官に居続けさせるのは変だという書き込み
  • 精神世界での解決はやや尻すぼみだが、最後の会見のくだりで許せたという書き込み

ラストのオチへの評価が真逆に割れているのが面白いところです。ヴァルが逮捕されない結末を「首輪をつけた逆転」と読むか、「悪役が罰を受けない消化不良」と読むか。エレーナの「we own you now」をどう受け止めるかで、評価が大きく変わる作りになっています。

媒体目立った反応温度感
X(旧Twitter)キャラの魅力、タスクマスターの退場への疑問、鬱の描き方への不満好意的な声と厳しい声が並ぶ
Yahoo!知恵袋「*」の意味、ニュー・アベンジャーズの今後、ボブの強さ結末の意味を確かめる落ち着いた質問
5ch(旧2ちゃんねる)タスクマスターの扱い、ラストのオチの評価公開初日から賛否が率直に割れる

サンダーボルツ*を見るならどこ?【VOD比較】

見放題で観るなら、ディズニープラスが第一候補です。1本だけ観たいなら、Prime VideoやDMMなどのレンタルでも観られます(2026年10月時点)。

本作は、結末を知ってから見返すと意味が変わる場面が多い映画です。保管庫でボブに触れた瞬間の記憶、ウォッチタワーでキルスイッチが使われた直後の闇、そしてエンドクレジットで題名が変わる瞬間。巻き戻して確かめたくなる場面ばかりなので、期限を気にせず再生できる見放題のほうが向いています。

サービス料金無料お試し期間配信状況おすすめ度
Disney+月額1,250円〜なし見放題★★★★★
Amazon Prime Video月額600円〜30日間レンタル★★★☆☆
DMM TV月額550円14日間レンタル★★★☆☆

迷ったらディズニープラスです。 本作は2025年8月27日にディズニープラスで見放題独占配信が始まり、2026年10月時点も見放題で観られます。しかもエレーナとアレクセイが登場する『ブラック・ウィドウ』、ジョン・ウォーカーとヴァルが登場するドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』、ゴーストが登場する『アントマン&ワスプ』も見放題です。本作で気になった人物の過去を、同じアプリでそのまま復習できるのは大きいと思います。無料体験はないので、その点は契約前に確認してください。

レンタルの場合は、月額の会員料金とは別に作品ごとの料金がかかります。プライム会員でも本作は見放題の対象ではないので、その点だけ注意してください。

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📥 保存版:サンダーボルツ*主要メンバーの初登場作と最終的な運命 早見表

このままスクリーンショットしておくと、前作を見返すときにも迷いません。

人物(演者)MCUでの初登場本作での立場結末
エレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー)『ブラック・ウィドウ』ヴァルの汚れ仕事を請け負う元暗殺者生存・ニュー・アベンジャーズへ
バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』下院議員としてヴァルの弾劾を進める生存・ニュー・アベンジャーズへ
ジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』ヴァルの工作員生存・ニュー・アベンジャーズへ
エイヴァ・スター/ゴースト(ハナ・ジョン=カーメン)『アントマン&ワスプ』ヴァルの工作員。タスクマスターを撃つ生存・ニュー・アベンジャーズへ
アレクセイ・ショスタコフ/レッド・ガーディアン(デヴィッド・ハーバー)『ブラック・ウィドウ』運転手として働き、エレーナたちを救い出す生存・ニュー・アベンジャーズへ
ボブ/セントリー(ルイス・プルマン)本作で初登場セントリー計画の被験者。裏人格がヴォイド生存・ヴォイドを克服し、14か月後もチームと行動
アントニア・ドレイコフ/タスクマスター(オルガ・キュリレンコ)『ブラック・ウィドウ』ヴァルの工作員死亡(保管庫でゴーストに撃たれる)
ヴァル(ジュリア・ルイス=ドレイファス)ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』CIA長官・OXE社の元CEO生存・逮捕されず、チームをニュー・アベンジャーズと発表

よくある質問(FAQ)

タスクマスターは死んだの?誰に殺されたの?

はい、タスクマスター(アントニア・ドレイコフ)は序盤で死にます。保管庫での乱戦の中、ゴースト(エイヴァ・スター)に撃たれました。4人を同じ場所に送り込んだのはヴァルですが、手を下したのはゴーストです。主要メンバーで命を落とすのは彼女だけです。

サンダーボルツの最後でヴァルは捕まるの?

いいえ、ヴァルが逮捕される場面はありません。記者会見でチームを「ニュー・アベンジャーズ」と発表し、手柄を自分のものにします。ただし最後にエレーナから「we own you now」と告げられ、実際の立場は逆転しています。

タイトルの「*」ってどういう意味?

チームが終盤で「ニュー・アベンジャーズ」として発表されることを伏せた印です。エンドクレジットでは題名が『The New Avengers』に変わります。公開前のポスターにも「*THE AVENGERS ARE NOT AVAILABLE」という注意書きが添えられていました。

おまけ映像は何個あるの?最後まで見るべき?

2つあるので、最後まで観るのがおすすめです。ミッドクレジットはアレクセイとシリアル箱のコミカルな場面、ポストクレジットは14か月後に「4」の宇宙船が現れる場面です。後者は『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』につながります。

エレーナとアレクセイは本当の親子なの?

いいえ、血のつながった親子ではありません。アレクセイは、かつてソ連の潜入任務でエレーナの父親役を務めた父親代わりです。エレーナとナターシャ・ロマノフも血縁のない義理の姉妹ですが、本作でも家族のような絆が描かれます。

前作を見ていなくても楽しめる?予習するなら何を見ればいい?

予習なしでも筋は追えます。ただ、エレーナとアレクセイが登場する『ブラック・ウィドウ』と、ジョン・ウォーカーとヴァルが登場するドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』を観ておくと、人物関係がぐっと分かりやすくなります。MCU全体の順番はアベンジャーズを見る順番の解説記事も参考にしてください。

サンダーボルツって名前の由来は?

エレーナが子どものころに所属していたサッカーチームの名前です。1勝もできなかったチームで、負け犬たちの集まりにぴったりの呼び名として一行に定着します。最終的には、ヴァルの発表で「ニュー・アベンジャーズ」と呼ばれることになります。

サンダーボルツ*はどこで見られる?

見放題ならDisney+(ディズニープラス)で観られます。Amazon Prime VideoやDMM TVなどでは作品ごとのレンタルです(2026年10月時点)。Disney+は月額1,250円〜で無料体験はないので、契約前に確認してください。

まとめ

  • 『サンダーボルツ*』は、口封じされかけたはみ出し者たちが、ボブの裏人格ヴォイドを全員で抱きしめて止める物語
  • ボブはOXE社のセントリー計画の被験者で、ヴォイドは鬱と不安が実験で増幅された裏人格
  • タスクマスターは保管庫でゴーストに撃たれて死亡。主要メンバーで死ぬのは彼女だけ
  • 「*」はニュー・アベンジャーズの伏せ字。ヴァルが逮捕されることはなく、手柄を横取りするが、エレーナの「we own you now」で立場は逆転
  • おまけ映像は2つ。ポストクレジットの「4」の宇宙船が『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』へつながる

強い敵を倒す話だと思って観ると、少し肩透かしかもしれません。でも、負け続けてきた人たちが互いを見捨てずに立ち直る話として観ると、MCUでいちばん優しい1本に見えてきます。ドゥームズデイの前に、ぜひエンドクレジットの最後まで確かめてみてください。

参考文献・出典

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