ニセコイ最終回がひどいと言われる4つの理由——小野寺の顔が半分しか描かれなかったのはなぜ?埋められたペンダントと鍵の意味を完全解説

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『ニセコイ』最終回がひどいと言われる理由を解説する記事のアイキャッチ画像。夕暮れの丘の上に置かれたロケットペンダントと鍵、そして「なぜ『ひどい』と言われる?」のコピー

※本記事は物語の核心に触れるネタバレを含みます。

『ニセコイ』の最終回が「ひどい」と言われる理由は、次の4点にほぼ集約されます。①小野寺小咲の告白が実らない形で終わったこと、②10年前の約束のペンダントと鍵を小咲本人の前で埋めたこと。そして③約束の言葉「ザクシャ・イン・ラブ」が桐崎千棘への誓いに使われたこと、④最終回で小咲の顔が半分しか描かれず表情が分からないこと——この4つです。一方で「打ち切りだったから雑に畳んだ」という説は公式発表と食い違います。最終回は2016年8月8日発売の『週刊少年ジャンプ』36・37合併号にセンターカラーで掲載され、コミックナタリーは4年9カ月の連載の「完結」として報じました。

読み終えたあの日から、どこか喉に小骨が刺さったままの人は多いと思う。

私もそうでした。ページを閉じた瞬間は「きれいに終わった」と思ったのに、しばらくして急に引っかかりが戻ってくる。しかも、その引っかかりを人に説明しようとすると「小野寺がかわいそうだから」以上の言葉が出てこない。感情論として片づけられるたびに、余計にモヤモヤが残る。

この記事では、その正体に名前をつけます。批判されているのは物語全体ではなく、たった4つの描写だという話。そのうえで「打ち切り説」「炎上説」という2つの前提を、2016年当時の公式発表と報道で検証し直します。

この記事を書いた人
藤沢あかり——連載当時から『週刊少年ジャンプ』本誌で『ニセコイ』を追い、最終回も2016年8月8日発売の36・37合併号でリアルタイムに読んだ読者。単行本は全25巻を紙と電子の両方で読了し、25巻の巻末おまけと2023年刊行の集英社文庫版(全14巻)の描き下ろしおまけ漫画まで追いかけている。

💡この記事でわかること
  • 『ニセコイ』最終回が「ひどい」と言われる4つの理由(場面レベルで解説)
  • 最終回で実際に何が起きたのか——約束の女の子の正体とラストまでの流れ
  • 「打ち切りだった」という説を公式発表で検証した結果
  • 連載終了直後、2016年8月に実際に流れていたファンの声
  • 小野寺小咲の「その後」が最終25巻の巻末おまけと文庫版の二段構えで追加されていること
  • 主要キャラクターの結末をまとめた保存版の早見表
目次

なぜ「ひどい」と言われるのか——批判は小野寺小咲の扱い4点に集約される

批判されているのはストーリー全体ではありません。小野寺小咲(おのでら こさき)の描かれ方に関する4点に、ほぼすべてが集まっています。

逆に言えば、この4点を外して読むと『ニセコイ』の最終回は「王道のラブコメが王道のまま着地した話」でしかない。実際、連載終了直後には「べったべた!! この王道感!!」という声も上がっていました。評価がここまで割れるのは、批判が作品の骨格ではなく特定の描写に集中しているからです。

順番に見ていきます。

①告白が成立しないまま積み上がった

小咲の告白は、作中で何度も届きませんでした。校内で伝えようとした場面は野球のボールが窓を割って中断。海辺の場面では、楽が眠っていて言葉が届かない。

この「あと一歩」の反復自体は、ラブコメの定番演出です。問題は、その積み重ねの決算がどこで行われたか。ようやく告白が最後まで届いたとき、一条楽(いちじょう らく)はすでに千棘への想いを自覚していました。

つまり読者から見ると、小咲は「言えなかった時間」の分だけ不利になっていく構造に置かれていた。何度も邪魔されてきた読者ほど、最後の一回に期待が乗る。その一回で断られる——ここが1点目です。

②約束のペンダントと鍵を、本人の目の前で埋めた

最終盤、楽・千棘・小咲の3人は、10年前に楽と小咲が結婚の約束を交わした場所へ向かいます。そこで、錠であるペンダントと鍵を埋める。

書き方としては「区切り」です。でも小咲の側から見ると、自分の10年をその手で土に返す作業でもある。しかも同席しているのは、その約束を上書きする側の2人。

「思い出を大切に扱った」と読む人と、「本人にやらせる必要はなかった」と読む人。ここで真っ二つに割れます。

③「ザクシャ・イン・ラブ」が千棘への誓いに使われた

3点目がいちばん刺さった人が多い箇所だと思います。

「ザクシャ・イン・ラブ」は、もともと10年前に楽と小咲のあいだで交わされた愛の言葉です。それが最終回では、楽と千棘が新しく作ったペンダントと鍵を取り出して永遠の愛を誓う場面で使われる。

言葉そのものが引き継がれてしまった。だから「上書き」という表現でこの結末を語る読者が多いんです。

④最終回で小野寺小咲の顔が半分しか描かれなかった

そして4点目。これが、私が「ひどい」の正体だと考えているものです。

最終回の小咲は、パティシエとして楽と千棘のウェディングケーキを手がける立場で登場します。ところが、他のキャラクターの顔がはっきり描かれているのに対して、小咲は成長後の顔が半分しか描かれていません。後ろ姿は描かれていて、髪型がショートカットになったことまで分かるのに、肝心の表情だけが読者に示されないんです。

祝福しているのか。まだ引きずっているのか。吹っ切れているのか。判断材料が絵の中に無い。

読者は10年分の感情移入をしてきたキャラクターについて、最後の心情だけ空白のまま渡されることになる。感情の置き場が用意されないから、それが「ひどい」という言葉に変換される——私はそう理解しています。

おたくライター

【結論】: 「ひどい」と感じた自分の感覚を疑わなくていい。ただし批判できるのはこの4点であって、作品全体ではありません。
なぜなら、私は本誌で36・37合併号を読んだ当日は「きれいに終わった」としか思わず、④の「小咲の顔が半分しか描かれていない」に気づいたのは単行本25巻で読み返したときだったから。引っかかりの正体は物語の出来ではなく、表情という情報の欠落でした。

『ニセコイ』の鍵と錠の相関図。錠のペンダントを持つ一条楽を中心に、本物の鍵を持つ小野寺小咲、日記に挟まれた鍵を持つ桐崎千棘、橘万里花、奏倉羽の関係性を図示

最終回で実際に何が起きたのか——約束の女の子の正体とラストまでの流れ【ネタバレ】

ここから先はネタバレを含みます!
まだ読んでいない方は、先に原作をご覧になることを強くおすすめします。

10年前の約束の相手は小野寺小咲でした。しかし楽は千棘への想いを自覚しており、小咲の告白を断ります。そして3人で約束の場所へ行き、ペンダントと鍵を埋める——これが最終盤の流れです。

「鍵と錠」の設計と、4つの鍵の正体

『ニセコイ』の全編を貫く仕掛けが、錠と鍵でした。錠であるペンダントを持っているのが楽。鍵を持っているのがヒロイン側、という構図です。

鍵は全部で4つ存在します。そして本物の鍵を持っていたのは、小咲でした。

ここで効いてくるのが千棘の設定です。千棘の鍵は、幼少期に書いた日記帳に挟まっていたもの。千棘自身は約束の内容も、相手の少年の名前も顔も忘れていました。つまり千棘は「約束の記憶を持たない側」として最後まで置かれていたわけです。

橘万里花(たちばな まりか)にも、幼少期に山の療養所で楽と過ごした過去があります。5人のヒロインがそれぞれ別種の「過去」を抱えていて、その中で唯一、10年前の約束と正確に噛み合っていたのが小咲だった。

楽が小咲の告白を断るまで

楽はペンダントを開き、10年前の記憶を取り戻します。中に入っていたのは、ビーズでできた2つの指輪と、幼少期の楽と小咲の手紙でした。

これで「約束の女の子=小野寺小咲」が確定します。

ところが楽は、すでに千棘への想いを自覚していた。だから、長年想い続けてくれた小咲から告白されても、それを断る。ここが物語の最大の分岐点です。

正直に言うと、この選択自体は誠実だと思っています。記憶が戻ったから約束を優先する、という筋書きのほうがよほど残酷でしょう。ただ——誠実さと、読者の納得は別物なんですよね。

3人でペンダントと鍵を埋めた場面の意味

告白の後、3人は楽と小咲が結婚の約束をした山の上へ向かいます。そこにペンダントと鍵を埋める。

その代わりに、楽と千棘は新しく2人で作ったペンダントと鍵を取り出し、「ザクシャ・イン・ラブ」と永遠の愛を誓い合います。

この場面をどう読むかで、最終回の評価はほぼ決まります。「小咲の10年が上書きされた」と読めば、これ以上ないほど残酷な絵に見える。一方で、埋めたものの中身がビーズの指輪と子どもの手紙だったことを踏まえれば、恋愛の勝敗の記録ではなく「子どもの約束そのものを土に返す儀式」としても読める。

本誌最終回のラストと、25巻おまけ漫画が描いた「その先」

ここは出典を分けて読む必要があります。本誌の最終回そのものは、山頂での誓いまで。楽と千棘の結婚後や、子どもたちの姿は、単行本最終25巻に収録されたおまけ漫画で「最終回の後日談」として描かれたものです。

本誌最終回に入っているのは、万里花の後日談です。大人になった万里花が、お見合いの席で相手を選ぶ場面。その相手は「千葉県在住」と紹介されます。ねとらぼは2016年8月8日、これを人気投票で名を馳せた大量投票者「千葉県のYさん」へのサプライズだと報じました。最終話にこういう仕掛けが仕込まれている——この一点だけでも、投げ出すように畳んだ回ではないと分かります。

一方、25巻のおまけ漫画が描くのが、その先の未来です。楽と千棘は結婚し、息子・佰をもうけました。そして小咲は、楽とは別の男性と結婚して弥柳姓に改姓し、娘・紗咲をもうけています。「報われずに終わった」という印象が強い人ほど、ここを見落としがちです。

さらに、猫を助けようとした佰と紗咲が知り合う場面まで描かれます。10年前の約束から始まった話が、次の世代の出会いへつながる——構造としては、かなりきれいに畳まれている。

おたくライター

【結論】: 結末に納得できるかどうかは、ペンダントを埋めた場面を「上書き」と読むか「区切り」と読むかで9割決まります。
なぜなら、ペンダントの中身が「ビーズの指輪2つと幼少期の手紙」だったと明かされる描写を踏まえると、あれは恋愛の勝敗を埋める場面ではなく、子どもの約束を土に返す場面としても読めるから。私はこの中身を確認してから、印象がだいぶ変わりました。

なぜ千棘だったのか——「心理描写が甘い」という批判を検証する

楽が千棘に惹かれていく描写は、序盤から置かれていました。ただし決定的な転換点が1話に凝縮されていないため、「甘い」と受け取られやすい構造だったんです。

「積み重ねがない」への反論——序盤から置かれていた楽の行動

「楽が千棘を好きになる過程が描かれていない」。この批判は本当に多い。

でも、序盤の林間学校の肝試しの場面を思い出してほしい。あそこで楽は、小咲とのペアを離れて千棘のもとへ向かっています。楽自身が千棘への想いを自覚するよりずっと前の行動です。

考察ブログ「リアンの考察部屋」は、この点を単純接触効果の観点から整理しています。

登下校やデート時の何事もない日常が漫画化されていないが、実際には千棘との接触時間が莫大に蓄積している

出典: なぜ千棘が選ばれた?ニセコイの結末について徹底考察!!! – リアンの考察部屋(発言要旨)

要するに「描かれていない」のではなく、「描かれていた分量に対して、読者の実感が追いつかない設計だった」ということ。ニセの恋人という関係上、楽と千棘が一緒にいる時間は物語の前提として処理され、いちいち描写されません。積み重ねが背景化していたわけです。

小咲の「優しさ」が決定機を作らせなかった

もうひとつ、構造として指摘されているのが小咲の性格です。

小咲は引き留めないタイプでした。優しさゆえに一歩を踏み込まず、結果として恋愛が進展する機会そのものを失っていく。対して千棘は、怒るときは怒り、感情を隠さない。だから楽も素の自分でいられる。

「好かれ方」ではなく「一緒にいるときの自分」で選ばれた——そう読むと、千棘エンドの筋は通ります。納得できるかどうかは、また別の話ですが。

「人気投票1位なのに」は正確か——3回の投票で起きていた逆転

ここは事実関係を整理しておきたい部分です。

『ニセコイ』では、連載1周年・2周年・4周年を記念して公式のキャラクター人気投票が3回行われました。第1回と第2回は、たしかに小野寺小咲が1位です。

ところが第3回は違います。2016年3月28日発売の『週刊少年ジャンプ』17号で発表された結果は、1位が桐崎千棘、2位が小野寺小咲、3位が鶫誠士郎(つぐみ せいしろう)、4位が橘万里花でした。

最終回が載ったのは、その約4か月半後の8月8日発売号です。

つまり「人気投票1位のキャラが選ばれなかった」という前提は、最後の投票に限れば当てはまりません。もちろん第3回で千棘が1位になったから結末が決まった、という話ではないでしょう。作者が最初から千棘エンドで設計していたという見方が主流です。それでも、「人気を無視した結末」という言い方は事実と少しずれている。

おたくライター

【結論】: 「千棘を好きになる過程が描かれていない」と感じたら、林間学校の肝試しの回まで戻って読み返してみてください。
なぜなら、楽が小咲とのペアを離れて千棘のもとへ向かうこの場面は、本人がまだ自覚していない段階の行動として置かれているから。結末を知ってから読み返すと伏線として機能しているのが分かりますが、一読目にはまず見えません。

「打ち切りだったから雑に畳んだ」説を公式発表で検証する

『ニセコイ』が打ち切りだったと公式に発表された事実は、確認できません。むしろ公式発表を並べると、逆の絵が見えてきます。

3つあります。

1つ目は、最終回の掲載形態です。 最終回は2016年8月8日発売の『週刊少年ジャンプ』36・37合併号に、センターカラーで掲載されました。誌面のカラーページは限られた枠で、編集部が押す作品に割り当てられるものです。

2つ目は、報道の文言。 コミックナタリーは、この最終回を次のように報じています。

古味直志「ニセコイ」が、本日8月8日に発売された週刊少年ジャンプ36・37合併号(集英社)にてセンターカラーで最終回を迎えた。

出典: 「ニセコイ」4年9カ月の連載に幕、10月のジャンプGIGAに古味直志新作 – コミックナタリー, 2016年8月8日

記事の見出しは「4年9カ月の連載に幕」。打ち切りではなく完結として扱われています。

3つ目が決定打だと思っているのですが、同じ記事の中で次作が告知されている点です。 単行本最終25巻の10月発売と並んで、10月20日刊行予定の『ジャンプGIGA』vol.4に古味直志の新作マンガが巻頭カラーで掲載されることが同時にアナウンスされました。

作家を切った直後に、その作家の新作を巻頭カラーで出す——さすがに考えにくい。

補足すると、第3回キャラクター人気投票が実施されたのは最終回の約4か月半前です。読者参加企画が終盤まで動いていたことも、急な打ち切りとは噛み合いません。

ここで注意したいのは、逆方向の断定もしないことです。「人気低迷で打ち切られた」というネット上の説を事実として書けないのと同じように、「編集部が悪い」「本当は続けられたのに切られた」も憶測でしかない。言えるのは、公式に発表された情報の範囲では打ち切りを示す材料が見当たらない、というところまでです。

おたくライター

【結論】: 「打ち切りだったから雑」という前提を一度外して読み直すと、最終回の見え方が変わります。
なぜなら、私自身が長年その前提で読んでいて、2016年8月8日付のコミックナタリー記事に新作の巻頭カラー告知が同時に載っているのを見て初めて、「終わらされた話」ではなく「終わらせた話」として読み直したから。前提が変わると、粗く見えていた場面が意図的な省略に見えてきます。

本当に「炎上」したのか——2016年8月に実際に流れていた声

連載終了直後に大手メディアが紹介したファンの声は、祝福が中心でした。「炎上」よりも「賛否が分かれた」のほうが実像に近い表現です。

ダ・ヴィンチWebが完結を受けたファンの反応を紹介したのは2016年8月12日。最終回が載った36・37合併号の発売から、わずか4日後です。そこに並んでいたのは、こういう声でした。

「古味先生長い間お疲れ様でした!!」「べったべた!! この王道感!! おめでとう~~~!!」「幸せになりやがれこのリア充がっ!!」

出典: 「古味先生長い間お疲れ様でした!!」 ついに『ニセコイ』完結!! – ダ・ヴィンチWeb, 2016年8月12日

同じ記事には「小野寺推しとしては複雑だけどおもしろかった!」という声も併記されていました。複雑な気持ちを抱えた読者はたしかにいた。でも、それは「作品全体を否定する声」としては紹介されていません。

もちろん、否定的な意見が現在も多数存在するのは事実です。Q&Aサイトや考察ブログを見れば、10年近く経ってもまだ議論が続いています。ただ「読者全員が失望した」「最終回は炎上した」という全称的な言い方は、当時の報道と整合しません。

ではなぜ、後年になって「ひどい」のほうが主語になったのか。

これは私の見立てですが、時間が経つほど満足した読者は語らなくなるからだと思っています。納得した人は「良かった」と一度書いて離れる。納得できなかった人は、検索し、記事を読み、書き込みを続ける。10年分積み上がれば、検索結果の温度は当然かたよります。

だから、いま検索して出てくる声の量は「当時の反応の比率」ではありません。ここを混同すると、自分の記憶のほうが間違っていたような気分になってしまう。

小野寺小咲はあのまま終わったのか——最終25巻・文庫版で追加された「その後」

いいえ。小咲の「その後」は、二段構えで追加されています。最終25巻の巻末おまけ、そして2023年の文庫版描き下ろしです。

第1段:最終25巻(2016年10月4日発売)の巻末おまけ

単行本の最終25巻には、巻末におまけページが収録されました。ここで小咲は、楽とは別の男性と結婚して弥柳姓に改姓し、娘・紗咲をもうけていることが描かれます。つまり公式に、小咲が独りのまま終わったわけではないことは示されているんです。

注意したいのは、この情報が本誌の最終回そのものには載っていないことです。本誌だけを読んで「小咲は報われないまま終わった」と受け取った読者が多かったのは、そのためでもあります。

ダ・ヴィンチWebは2016年10月24日、このおまけを「小野寺が無事幸せになれたのかな?と感じさせてくれる展開」と紹介しています。同記事では「我々小野寺派にとっての救いになりました」というファンの声も伝えられました。

本誌の最終回だけで判断を止めていた読者にとって、25巻は追加の情報が載っている巻なんです。

第2段:2023年6月刊行の集英社文庫版

そして2023年6月16日、集英社文庫(コミック版)の『ニセコイ』が刊行を開始します。全14巻。

この文庫版には、描き下ろしカバーイラストに加えて「本編の10年後」を描く描き下ろしおまけ漫画が毎巻収録されました。連載終了から約7年後に、公式が10年後を描いたわけです。

ただし、これで全員が満足したかというと、そうでもありません。「10年後が見たいのではなく、小咲が幸せになる別ルートが見たかった」という受け止めは、いまも個人ブログなどで見かけます。救済の量が足りているかどうかは、結局のところ読者ごとの問題ということでしょう。

おたくライター

【結論】: 最終回だけで判断を止めているなら、単行本25巻の巻末おまけまでは必ず読んでください。
なぜなら、私自身が本編の最後のページで読むのをやめていて、巻末おまけで小咲の「その後」に触れるまで「報われないまま終わった」と思い込んでいたから。同じ1冊の中で印象が変わります。

『ニセコイ』の基本情報——全何巻・全何話・アニメはどこまで描いたのか

全25巻・全229話で完結しています。TVアニメは2期あわせても原作の途中までで、最終回である第229話は映像化されていません。

連載期間・巻数・話数

『ニセコイ』は古味直志(こみ なおし)による作品です。原作と作画を兼ねる単独作家で、『ダブルアーツ』に続く2作目の連載にあたります。

項目内容
掲載誌週刊少年ジャンプ(集英社)
連載期間2011年48号 〜 2016年36・37合併号(4年9カ月)
話数全229話
単行本全25巻(最終25巻は2016年10月4日発売)
累計発行部数2018年4月時点でコミックスシリーズ累計1200万部突破
文庫版集英社文庫(コミック版)全14巻/2023年6月16日刊行開始

アニメ2期・実写映画はどこまで描いたのか

TVアニメ第1期『ニセコイ』は2014年1月から5月にかけて全20話が放送されました。アニメーション制作はシャフト、総監督は新房昭之。第1期が映像化したのは原作第50話(1年生文化祭編)までです。

第2期『ニセコイ:』は2015年4月から6月まで全12話。それでも原作は全229話ですから、映像化されたのは全体の一部にとどまります。

つまり、アニメだけを見ても最終回にはたどり着けません。 ここは検索でよく取り違えられるポイントなので、先に押さえておいてください。

実写映画『ニセコイ』は2018年12月21日に公開されました。監督は河合勇人、一条楽役は中島健人、桐崎千棘役は中条あやみ、小野寺小咲役は池間夏海です。この実写化のとき、古味直志は小咲のキャラクタービジュアルに次のようなコメントを寄せています。

問答無用で可愛い! 楽が心を奪われるのもわかります。

出典: 中島健人×中条あやみ「ニセコイ」キャラ写真、原作者の古味直志「非の打ち所なし!」 – 映画ナタリー, 2018年7月30日

「楽が心を奪われるのもわかります」——作者自身の言葉です。小咲というキャラクターが軽く扱われたわけではない、という傍証として私はこの一文を挙げたい。

主な登場人物

キャラクター立場TVアニメ声優
一条楽主人公。ヤクザ「集英組」組長の息子内山昂輝
桐崎千棘ギャング「ビーハイブ」のボスの娘・転校生東山奈央
小野寺小咲楽のクラスメイト。和菓子屋「おのでら」の娘花澤香菜
橘万里花楽の許嫁。警視総監の娘阿澄佳奈
鶫誠士郎ビーハイブ構成員でヒットマン中トップの実力小松未可子
宮本るり小咲の中学からの親友。水泳部内山夕実
舞子集楽の親友梶裕貴
奏倉羽楽の幼馴染。叉焼会の首領堀江由衣

『ニセコイ』をもう一度読む・見返すには?【電子書籍・アニメ配信の比較】

最終回まで追えるのは原作漫画(全25巻)だけです。だから読み返すなら電子書籍が第一候補。アニメの再視聴は、見放題配信のあるサービスを使うのが早いです。

電子書籍で全25巻を読み返す

この記事で扱った4つの争点は、どれも「絵を見ないと確認できない」ものばかりです。特に④の「小咲の顔が半分しか描かれていない」は、あらすじを読んでも絶対に分かりません。25巻の該当ページを実際に開いて、周囲のコマと見比べて初めて腑に落ちる。巻末おまけも同じで、電子なら購入から数十秒で確認できます。

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迷ったらブックライブをおすすめします。理由は単純で、この記事の争点を確認するには「気になった巻だけ買う→やっぱり全部読み返す」という買い方になりやすく、初回クーポンで1冊目を安く試せる形が相性がいいからです。25巻だけ買って巻末おまけを確認する、という最小コストの検証もできます。

アニメを見返す【配信サービス比較】

先に書いたとおり、アニメでは最終回まで描かれません。第1期が原作第50話まで、第2期を足しても全229話の途中までです。それでも、千棘と楽の日常の積み重ね——「描かれていた分量」を体感し直すという意味では、見返す価値があります。

サービス名料金無料お試し期間ポイント/特典配信状況おすすめ度
dアニメストア月額660円〜31日間アニメ専門で第1期・第2期・OVAをまとめて視聴◎ 見放題★★★★★
DMM TV月額550円14日間月額料金が最安クラス◯ 見放題★★★★☆
U-NEXT月額2,189円31日間毎月1,200pt付与、原作コミックの購入にも使える◯ 見放題★★★★☆
Hulu月額1,320円なし定額で追加課金なし◯ 見放題★★★☆☆

※料金・配信状況は変動する可能性があります。上記は執筆時点で配信を確認できたサービスで、ここに挙げていないサービスでも配信されている場合があります。

一押しはdアニメストアです。『ニセコイ』は第1期・第2期・OVAとシリーズが分かれていて、関連作をまとめて追える環境のほうが結局ラクだから。アニメ専門サービスなので、シャフト制作の他作品へ横に流れて見比べるのも簡単です。原作も一緒に買いたい人なら、毎月のポイントを原作購入に回せるU-NEXTのほうが総額は抑えられます。

中古・フリマで揃える【ネットオフ・メルカリ・Yahoo!フリマ】

紙の全巻セット・Blu-ray・グッズを探すなら、中古とフリマが実質いちばん早いです。完結から時間が経った作品ほど、現物は中古市場が強い。『ニセコイ』は全25巻と巻数がまとまっているので、紙で通しで読み返したい人には中古の全巻セットが向いています。アニメのBlu-ray/DVDや当時のグッズ、キャラクターグッズもフリマ側でよく流れています。

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📥 保存版:主要キャラクターの結末・その後 早見表

このままスクショして、読み返しながら確認すると迷いません。

キャラクター鍵・錠の所持最終回での立場後日談で判明したその後
一条楽錠(ペンダント)千棘への想いを選び、小咲の告白を断る千棘と結婚。息子・佰をもうける(25巻おまけ)
桐崎千棘鍵(幼少期の日記帳に挟まっていたもの)楽と結ばれ、「ザクシャ・イン・ラブ」を誓う楽と結婚。息子・佰をもうける(25巻おまけ)
小野寺小咲鍵(本物)10年前の約束の相手と判明するが、告白は断られる楽とは別の男性と結婚し弥柳姓に改姓。娘・紗咲をもうける(25巻おまけ)
橘万里花鍵(3人目の所持者)楽の許嫁。幼少期に山の療養所で楽と過ごした過去を持つ大人になり、お見合いの席で相手を選ぶ場面が描かれる(本誌最終回)
奏倉羽鍵(4人目の所持者)楽の幼馴染。叉焼会の首領不明
鶫誠士郎なし千棘の護衛役。ビーハイブ構成員不明
宮本るりなし小咲の親友として恋を後押しし続ける不明
舞子集なし楽の親友不明

※鍵は全部で4つあり、所持者は小野寺小咲(本物)・桐崎千棘・橘万里花・奏倉羽の4人です。

※「不明」は、本記事が参照した公開資料では後日談の描写を確認できなかったものです。

よくある質問(FAQ)

ニセコイって結局打ち切りだったの?

打ち切りと公式に発表された事実は確認できません。最終回は2016年8月8日発売の『週刊少年ジャンプ』36・37合併号にセンターカラーで掲載され、コミックナタリーは「4年9カ月の連載に幕」と完結として報じています。同じ記事で単行本最終25巻の発売と、古味直志の新作が『ジャンプGIGA』に巻頭カラー掲載されることも告知されました。

約束の女の子は小野寺だったの? 千棘だったの?

小野寺小咲です。10年前に楽と「再会したら結婚しよう」と約束し、本物の鍵を持っていたのも小咲でした。千棘の鍵は幼少期の日記帳に挟まっていたもので、千棘自身は約束の内容も相手の名前も顔も忘れていました。それでも楽が最終的に選んだのは千棘です。

最終回で小野寺の顔が描かれてないって本当?

半分だけ描かれています。最終回の小咲はパティシエとして楽と千棘のウェディングケーキを手がける立場で登場しますが、成長後の顔は半分しか描かれていません。後ろ姿は描かれている一方、他のキャラクターと違って表情がはっきり示されないため、祝福なのか未練なのかを判断する材料が絵の中に無く、「ひどい」と言われる最大の理由になっています。

小野寺はその後どうなったの? 幸せになれた?

単行本最終25巻の巻末おまけ漫画で、小咲は楽とは別の男性と結婚して弥柳姓に改姓し、娘・紗咲をもうけていることが描かれます。さらに2023年刊行の集英社文庫版に収録された「本編の10年後」の描き下ろしおまけ漫画でも、その後が描かれました。いずれも本誌の最終回そのものには載っていないため、最終回だけで判断を止めていると見落とす部分です。

「ザクシャ・イン・ラブ」ってどういう意味? なんで問題視されてるの?

10年前に楽と小咲のあいだで交わされた愛の言葉です。最終回ではこの言葉が、楽と千棘が新しく作ったペンダントと鍵を手に永遠の愛を誓う場面で使われます。小咲との思い出の言葉がそのまま引き継がれたため、「約束が上書きされた」と受け取る読者が多いのです。

アニメを見れば最終回まで分かる?

いいえ。TVアニメ第1期『ニセコイ』(全20話)が映像化したのは原作第50話までで、第2期『ニセコイ:』(全12話)を足しても全229話の途中までです。最終回である第229話はアニメ化されていません。結末を知るには原作漫画(全25巻)を読む必要があります。

ニセコイは全部で何話・何巻で完結したの?

全229話・単行本全25巻で完結しています。連載は『週刊少年ジャンプ』2011年48号から2016年36・37合併号までの4年9カ月。単行本の最終25巻は2016年10月4日に発売されました。コミックスシリーズは2018年4月時点で累計1200万部を突破しています。

人気投票で1位だったのは誰?

回によって違います。連載1周年・2周年・4周年に実施された3回の公式キャラクター人気投票のうち、第1回と第2回は小野寺小咲が1位でした。しかし2016年3月28日発売の『週刊少年ジャンプ』17号で発表された第3回は、桐崎千棘が1位、小野寺小咲が2位という結果です。

まとめ

『ニセコイ』の最終回が「ひどい」と言われる理由は、小野寺小咲の扱いに関する4点に集約されます。告白が実らない形で終わったこと。約束のペンダントと鍵を本人の前で埋めたこと。「ザクシャ・イン・ラブ」が千棘への誓いに使われたこと。そして、小咲の顔が半分しか描かれず表情が示されなかったこと。

批判の対象は物語の骨格ではなく、この4つの描写です。だから「ひどい」と感じた感覚も、「きれいに終わった」と感じた感覚も、どちらも間違っていません。

一方で、前提として広まっている2つの説には注意が要ります。打ち切りだったという公式発表は確認できませんし、当時の反応も祝福が中心でした。いま検索して出てくる声の量は、2016年当時の比率とは違います。

そして小咲の「その後」は、最終25巻の巻末おまけと2023年の文庫版描き下ろしという、二段構えで追加されてきました。10年抱えてきたモヤモヤに区切りをつけるなら、まずは25巻の巻末まで読み返してみてください。

参考文献・出典

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