新宿の少年・四乃山ポルカの体に転生したのは、英雄シャグルアではなく、彼に倒された死霊術師「屍神殿(しがみでん)」です。アニメ第1話がシャグルア視点で始まるため、多くの視聴者が主役を取り違えてしまいます。この記事では、その視点トリックの正体から廃ビル組の相関、アニメがどこまで描いたのかまでを一気に整理します。
この記事には『デッドマウント・デスプレイ』の物語の核心に触れるネタバレが含まれます。アニメ・原作をまっさらな状態で楽しみたい方はご注意ください。
- 四乃山ポルカの体に転生したのが屍神殿である理由と、シャグルアとの関係
- アニメ第1話でシャグルアを主役と誤解しやすい視点トリックの正体
- 廃ビル組(崎宮ミサキ・繰屋匠ら)の正体と相関
- 屍神殿が求める「平穏」がなかなか手に入らない物語の核心テーマ
- アニメ全24話が原作の何巻までか、続きは何巻から読むか
- アニメ・原作漫画をどこで見られる・読めるか
四乃山ポルカに転生したのは誰?——屍神殿とシャグルアの関係を整理
結論から言うと、新宿でポルカとして目覚めたのは死霊術師「屍神殿」です。英雄シャグルアではありません。ここを取り違えると物語全体が読み解けなくなるので、最初にはっきりさせておきます。
『デッドマウント・デスプレイ』は、剣と魔法の異世界から現代日本へと魂が渡る「逆転生」の物語です。よくある「現代人が異世界へ転生する」流れの、ちょうど逆向きだと考えると分かりやすいでしょう。
本作は『バッカーノ!』『デュラララ!!』で知られる成田良悟が原作を手がけ、作画を藤本新太が担当しています。スクウェア・エニックスの『ヤングガンガン』で2017年から連載が続く、群像劇の系譜に連なる一作です。公式では作品を次のように紹介しています。
希代の死霊使い(ネクロマンサー)が、「災厄潰し」の異名を取る英雄との激戦の末、現代日本の少年の体で目覚める――。
つまり「死霊術師が現代でどう生きるか」が物語の入り口になっているわけです。ここを踏まえると、なぜ屍神殿が主役なのかがすんなり腑に落ちます。
異世界で希代の死霊術師として恐れられた屍神殿は、「災厄潰し」の異名を持つ英雄シャグルアとの死闘の末に討ち取られかけます。その最期の瞬間、屍神殿は自ら転生術を発動しました。
魂が飛んだ先が、現代の新宿。喉を切り裂かれて殺されたばかりの少年・四乃山ポルカの肉体でした。四乃山は財閥の名を持つ一族で、ポルカはその血を引く少年です。屍神殿はこの体を得て、以後「ポルカ」を名乗って行動します。
なお屍神殿の本名は「リズディルシア・レドラジャルフ」といいます。この長い異世界名を知っておくと、物語後半で明かされる過去のエピソードがぐっと理解しやすくなります。
一方の英雄シャグルアは、屍神殿を倒した後も異世界(廃棄半島)側に残り、そちらのラインで物語を動かし続けます。つまり二人は転生を境に、別々の世界で歩みを進めていくわけです。
筆者も最初はシャグルアを主人公だと思い込んで読み進め、途中で「あれ、新宿にいるのは誰だ?」と混乱しました。「倒された側(屍神殿)が現代へ、倒した側(シャグルア)が異世界に残る」――この一文だけ頭に入れておくと、以降の展開でつまずきません。
アニメ第1話は英雄シャグルア視点——なぜ主役を誤解しやすいのか
アニメ版で主役を取り違える人が続出する理由は、第1話の「見せ方」にあります。物語の入り口が、異世界での死闘をシャグルアの視点から描くところから始まるのです。
視聴者はまず、災厄を打ち倒す英雄シャグルアの活躍を目にします。そして屍神殿は「倒される敵役」として登場します。この順番だと、勝者であるシャグルアを主人公だと感じてしまうのは自然な反応でしょう。
ところが場面が現代の新宿に切り替わると、物語の中心に立つのは倒されたはずの屍神殿(ポルカ)です。ここで初めて「主役は敵役側だった」という逆転が効いてきます。導入のミスリードが、そのまま作品の面白さになっている構造です。
この二層構造を押さえておきましょう。物語は「現代・新宿」のラインと「異世界・廃棄半島」のラインが並行して進みます。現代側は屍神殿=ポルカと、後述する廃ビル組が主役。異世界側はシャグルアが主役です。
現代のラインには、もう一つ重要な組織が絡みます。新宿署生活安全課「第三資料編纂係」、通称「三纂(さんさん)」です。奇怪な事件を扱うこのセクションの係長・岩野目ツバキが、超常的な出来事に首を突っ込んでいきます。
廃ビル組とは?崎宮ミサキ・繰屋匠の正体と関係

「廃ビル組」とは、新宿で屍神殿(ポルカ)を中心に集まった仲間たちの通称です。一癖も二癖もあるメンバーが揃っており、この相関を押さえると物語が一気に読みやすくなります。
まず外せないのが崎宮ミサキ。「殺し屋殺し」と呼ばれる殺鬼で、セーラー服姿の少女です。物語序盤、彼女はポルカ殺害の依頼を受けて襲いかかります。
ところが転生後のポルカ=屍神殿の力の前に、ミサキは返り討ちに遭って命を落とします。そして屍神殿の死霊術によって、不死のゾンビとして蘇るのです。以後、ミサキは廃ビル組の中核として屍神殿に付き従います。敵として現れたキャラが最も近い仲間になるという、本作らしい転がり方です。
次に繰屋匠(くりや たくみ)。新宿を拠点にする情報屋で、ネットやドローンを操って情報を集めます。金儲けが大好きな軽妙な男で、奔放なポルカやミサキのお守り役兼ツッコミ役に回りがちな、苦労人ポジションです。
さらに、ペンに憑依した霊体「細呂木(ほそろぎ)」も廃ビル組の一員として屍神殿を支えます。細呂木は三纂の岩野目ツバキの元上司で、かつて監察官を務めていた人物です。生者・死者・霊体が入り混じる顔ぶれこそ、死霊術師を主役に据えた本作ならではの持ち味です。
この寄せ集めの集団が、事件のたびに少しずつ結束を強めていくのも読みどころです。屍神殿は仲間を「駒」ではなく一人の人間として扱い、ミサキや繰屋もまた、打算を超えて彼に付き従うようになります。立場も生死もバラバラな者たちが、新宿という舞台で疑似家族のような関係を築いていく――その過程が、殺伐とした物語に温度を与えています。
廃ビル組は「元・敵」「元・警察」「霊体」と、それぞれ立場がバラバラなのが面白いところ。筆者は各キャラの“生前の肩書き”をメモしながら読むと関係がスッと整理できました。特にミサキや細呂木の過去は、後の事件で効いてくる伏線になっています。
屍神殿が求める「平穏」はなぜ手に入らないのか——物語の核心テーマ
本作の背骨にあるのは、「最強の力を持つ者ほど、静かな暮らしから遠ざかる」という皮肉です。屍神殿が現代で望むのは、争いのない平穏な日常でした。異世界で戦い続けた彼にとって、それはささやかな夢だったはずです。
ところが現実はそう甘くありません。彼が持つ規格外の死霊術は、放っておいても厄ネタを引き寄せます。命を狙う殺し屋、裏社会の組織、超常事件を追う三纂――さまざまな勢力が次々と屍神殿の周囲に集まってくるのです。
つまり「平穏を求めれば求めるほど、その力ゆえに騒動が押し寄せる」という構図が、物語を駆動しています。読者は屍神殿の願いに共感しながら、それが叶わないもどかしさと、巻き起こる事件のスリルを同時に味わうことになります。
この「力と平穏のジレンマ」は、成田良悟作品でおなじみの群像劇スタイルと相性抜群です。一つの厄ネタが別の厄ネタを呼び、思わぬ人物同士が交差する。誰の思惑がどこでぶつかるのかを追う考察の楽しさが、本作の大きな魅力になっています。
もう一つ見逃せないのが、屍神殿というキャラクターの「ズレた常識」です。異世界の死霊術師である彼にとって、死者を操ることも、傷を魔術で癒すことも当たり前の感覚。その価値観が現代日本のルールと衝突するたびに、シリアスな展開の合間に独特のユーモアが生まれます。
殺伐とした裏社会の抗争を描きながら、どこか飄々とした空気が漂うのはこのためです。緊張とゆるさのバランスこそ、読者を惹きつけて離さない本作の持ち味だと言えるでしょう。
逆転生ものとして本作が新しいのはどこか
「異世界転生」は今や定番のジャンルですが、本作はその向きを逆にすることで独自の立ち位置を築いています。強かった主人公が弱い世界へ行くのではなく、最強の死霊術師が「魔術の通じにくい現代」で己の力とどう折り合うのかが描かれるのです。
異世界では無敵に近かった屍神殿も、銃社会・監視社会の現代では思うように立ち回れません。その制約が、逆に彼の知恵と死霊術の使い方を光らせます。「万能ではない最強」を見られるのが、逆転生ならではの面白さです。
また現代側の登場人物にとって、屍神殿の存在は完全に規格外の脅威でもあります。死者が蘇り、常識が通じない相手をどう扱うのか――三纂や裏社会がそれぞれの立場で反応していく群像劇が、物語に厚みを与えています。
アニメはどこまで?全24話=原作何巻・続きは何巻から
アニメ『デッドマウント・デスプレイ』は、2023年に分割2クールの全24話として放送されました。第1クールが2023年4月〜6月、第2クールが同年10月〜12月という構成です。
映像化された範囲は、原作コミックの第1巻から第10巻までにあたります。物語としては、第10巻に収録された#81「新宿大戦(The Shinjuku War)」までが描かれました。
内訳を整理すると、前半の第1クール(第1〜12話)が原作1〜4巻ぶん。後半の第2クール(第13〜24話)が原作5〜10巻ぶんにあたり、最終話(第24話)で第9〜10巻収録の#77〜#81「新宿大戦」までが描かれました。
では続きを原作で読むには、どこから始めればよいのでしょうか。答えは、#81の次の#82からです。#82以降がアニメで描かれなかった新章にあたり、単行本ではおおむね第11巻から追いかけると迷いません。「アニメの続き=原作11巻あたりから」と覚えておきましょう。
ここで大事な前提を一つ。アニメの全24話は物語の“区切り”であって、作品そのものの完結ではありません。原作漫画は『ヤングガンガン』で2017年から連載が続いており、2026年時点でも既刊17巻を数える現在進行形の作品です。
「アニメが終わった=物語も終わった」と勘違いして原作から離れてしまう人がいますが、それはもったいない。屍神殿たちの物語はアニメ以降も大きく動いています。続きは原作11巻から――ここだけ押さえて、ぜひ紙でも電子でも追いかけてみてください。
アニメを見る方法【VODサービス比較】
アニメ『デッドマウント・デスプレイ』は、複数の動画配信サービスで見放題配信されています。まずは無料お試し期間を使って、一気見してしまうのが賢い楽しみ方です。
筆者のおすすめは、アニメ作品数が圧倒的なdアニメストア。屍神殿たちの新宿での騒動を、追加料金を気にせずまとめて追えるのがありがたいところでした。以下の比較表から、自分の使い方に合うサービスを選んでみてください。
| サービス | 料金 | 無料お試し期間 | 配信状況 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| dアニメストア | 月額660円〜 | 31日間 | 見放題 | ★★★★★ |
| U-NEXT | 月額2,189円 | 31日間 | 見放題 | ★★★★☆ |
| DMM TV | 月額550円 | 14日間 | 見放題 | ★★★★☆ |
| Lemino | 月額1,540円〜 | 31日間 | 見放題 | ★★★☆☆ |
アニメ好きで料金を抑えたいならdアニメストア、映画やドラマも幅広く楽しみたいならU-NEXTやAmazonプライムビデオ、という選び分けが分かりやすいでしょう。いずれも無料期間中の解約なら費用はかかりません。
原作漫画を読むなら【電子書籍サービス比較】
アニメの続き(原作11巻以降)を追うなら、電子書籍が手軽です。既刊17巻とボリュームがあるので、クーポンやポイント還元を活用してお得に揃えたいところです。
筆者はまずブックライブの初回クーポンで気になる巻を試し読みし、そのまま続きをまとめ買いしました。以下のサービスなら、いずれも全巻が電子で揃います。
アニメを見終えて「続きが気になる」となったら、#81の次の#82から――単行本ではおおむね第11巻あたりから読み始めるのがおすすめです。
中古・フリマで全巻をお得に揃えるなら
「紙で全巻を手元に置きたい」「なるべく安く揃えたい」という場合は、中古・フリマの活用も選択肢です。既刊17巻とまとまった巻数なので、状態のよい中古セットが見つかれば新品より大きく節約できます。フィギュアやBlu-rayといった関連グッズを探すのにも向いています。
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よくある質問(FAQ)
参考文献
- デッドマウント・デスプレイ – Wikipedia
- TVアニメ「デッドマウント・デスプレイ」公式サイト
- デッドマウント・デスプレイ – ヤングガンガン(SQUARE ENIX)
- デッドマウント・デスプレイの登場人物 – ピクシブ百科事典
この記事を書いた人:藤沢あかり
成田良悟作品を長年追いかけてきた、群像劇と考察好きのライター。入り組んだ人物相関を「誰が・どこで・なぜ交差するのか」の視点で噛み砕いて紹介するのが得意。
