【アメイジング・スパイダーマン ネタバレ】ベンおじさんを撃った犯人は誰?リザードの結末とジョージ警部が遺した「約束」の意味を完全解説

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アメイジング・スパイダーマンのネタバレ解説記事のアイキャッチ画像。雨に濡れた夜のマンハッタンのビル屋上に佇むヒーローの後ろ姿と『犯人は誰?結末を解説』のコピー

※本記事は物語の核心に触れるネタバレを含みます。

『アメイジング・スパイダーマン』(2012年)でベンおじさんを撃ったのは、ピーター・パーカーが直前に雑貨店で見逃した逃走中の強盗犯です。リザードの正体はピーターの父の元同僚カート・コナーズ博士で、彼は解毒血清によって人間の姿に戻り、殺されることなく収監されます。

——と、まずは結論から。

正直に言うと、スパイダーマンの実写映画は頭の中でこんがらがりやすい。サム・ライミ版が3本、この『アメイジング』シリーズが2本、MCU版が4本。単独作だけで合計9本もあるうえ、どれにも「メイおばさんがいる」という共通項があるからだ(ベンおじさんの死が描かれるのはライミ版とアメイジング版で、MCU版では描写されない)。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でアンドリュー・ガーフィールド版に心を持っていかれて、そこから逆走してきた人も多いと思う。私の場合もそうだった。

この記事では、2012年のリブート第1作で「誰が誰を死なせ、誰が生き残ったのか」を一本の線に整理する。そのうえで、多くのまとめ記事が触れていない3つの論点を掘り下げていく。犯人が捕まらないまま終わる理由ラストの「約束」が続編の悲劇を確定させている構造、そしてエンドロールの影の男が本当にノーマン・オズボーンなのか——この3つだ。

この記事を書いた人
藤沢あかり——年間200本以上の映画を鑑賞する映画ライター。スパイダーマン実写シリーズはサム・ライミ版3部作、アメイジング2部作、MCU3部作をすべて劇場で鑑賞。本作は劇場公開時と配信で計4回見返しており、2回目以降に気づいた仕掛けを中心に解説します。

💡この記事でわかること
  • ベンおじさんを撃った犯人の正体と、その犯人が作中でどうなるのか
  • リザード(カート・コナーズ博士)の暴走の理由と、殺されずに終わる結末
  • ジョージ・ステイシー警部がピーターに交わさせた「約束」の中身と重み
  • ラストシーンの「守れそうにない」が続編の悲劇と直結している理由
  • エンドロール中に現れる“影の男”の正体が確定していない根拠
  • 賛否が分かれる理由と、いま作品を見られる配信サービス
目次

登場人物と“誰が誰を死なせたのか”の関係整理

ここから先はネタバレを含みます!
まだ見ていない方は、先に本編をご覧になることを強くおすすめします。

本作で命を落とすのは、ベン・パーカーとジョージ・ステイシー警部の2人だけ。撃ったのは強盗犯、刺したのはリザードだ。ここさえ押さえれば、混乱の8割は解ける。

アメイジング・スパイダーマンの因果関係図。リチャード・パーカーの研究を起点に、ピーター・パーカー、カート・コナーズ博士、グウェン・ステイシーの関係と、ベン・パーカーおよびジョージ・ステイシー警部の死の原因を6枚のカードで図示

主要人物を整理しておこう。

ピーター・パーカー/スパイダーマン(アンドリュー・ガーフィールド/日本語吹替:前野智昭)。ミッドタウン・サイエンス高校に通う高校生。幼い頃に両親と離れ、伯父ベンと伯母メイに育てられた。

グウェン・ステイシー(エマ・ストーン/本名陽子)。ピーターの同級生であり、のちの恋人。オズコープ社でコナーズ博士のインターンを務めており、事件の中心にいる。

カート・コナーズ博士/リザード(リス・エヴァンス/内田直哉)。オズコープ社の遺伝子工学研究者で、右腕を失っている。ピーターの実父リチャード・パーカーの元同僚にあたる。

ジョージ・ステイシー(デニス・リアリー/菅生隆之)。ニューヨーク市警の警部(キャプテン)で、グウェンの父。当初はスパイダーマンを危険な自警団として敵視している。

ベン・パーカー(マーティン・シーン/佐々木敏)とメイ・パーカー(サリー・フィールド/一龍斎春水)。ピーターの伯父と伯母、つまり育ての親だ。血縁上の両親ではない点は、シリーズを通して重要になる。

そしてリチャード・パーカー(キャンベル・スコット)。ピーターの実父で、オズコープ社でクロス・スピーシーズ(異種間遺伝子交配)を研究していた科学者である。

因果の線はこうつながる。リチャードの研究がクモを生み、そのクモがピーターを噛む。リチャードが残した「崩壊率の数式」がコナーズの血清を完成させ、コナーズはリザードになる。そのリザードがジョージ・ステイシーを殺す。ベンの死だけが、この科学の連鎖から外れた場所で起きた偶発的な悲劇なのだ。

おたくライター

【結論】: ライミ版・MCU版と記憶が混ざる人は、「誰が育ての親か」だけ先に押さえると一気にほどけます。
なぜなら、3シリーズで完全に共通しているのは「ベンとメイが育ての親」というこの一点だけで、実父リチャードの研究が物語の核になるのはアメイジング版だけだからです。

ベンおじさんを撃った犯人は誰? そして最後まで捕まらない理由

犯人は、ピーターが雑貨店で見逃した逃走中の強盗犯だ。名前も素性も明かされない男で、作中では最後まで逮捕されない。

まず、あの悲劇に至る流れを追い直そう。クモの能力を得たピーターは、ただ浮かれていた。学校で同級生のフラッシュに仕返しをし、伯父ベンに咎められて口論になる。そして家を飛び出す。

立ち寄った雑貨店で、ピーターは店員と小銭のことで揉める。そこへ強盗が押し入り、レジの金を奪って逃げる。店員は「止めてくれ」と叫ぶが、ピーターは動かない。自分に嫌な思いをさせた店員のために、なぜ自分が動かなければいけないのか——そういう顔で、彼は強盗を見送るのだ。

その直後、ピーターを探しに来ていたベンが、逃げてきた強盗と鉢合わせする。もみ合いになり、ベンは撃たれて息を引き取る。

つまりベンを死なせたのは、コナーズ博士でもリザードでもない。ピーターが「自分には関係ない」と見逃した、たったひとりの男である。ここは本当に誤解が多い部分なので、はっきり書いておきたい。

そしてピーターは、犯人を探すためにマスクをかぶる。ここが本作の面白いところだ。彼が最初にコスチュームを着る動機は「正義」ではなく、私的な復讐なのだ。似顔絵を頼りに、同じ髪型・同じ体格の男を片っ端から締め上げていく。街の人からは「危険な自警団」としか見えない。

では、その犯人探しはどう決着するのか。答えは——決着しない。

物語の中盤でコナーズがリザードへと変貌し、事件の規模が街全体に広がる。ピーターの関心はそちらへ移り、犯人はスクリーンから静かに消えていく。逮捕シーンも、報復シーンも、遺体すら出てこない。

これがサム・ライミ版との決定的な違いだ。2002年の『スパイダーマン』では、犯人が倉庫の窓から転落死し、ピーターが自分の過ちの結果と対面する場面がはっきり描かれた。あの決着を覚えている人ほど、本作でも同じ決着があると思い込んで見てしまう。

ただ、これは尻切れとは言い切れないと思う。復讐が果たされないからこそ、ピーターは「犯人を捕まえる」以外の理由でマスクをかぶり続けるしかなくなる。ヒーローの動機を復讐から切り離す、そういう設計に見える。

おたくライター

【結論】: 犯人が捕まらないことに引っかかっている人は、そのモヤモヤごと2回目を見てほしいです。
なぜなら、私は初見でラストまで逮捕シーンを待ち続けて呆然としたのですが、2回目に見返したとき、メイおばさんが卵の買い置きを頼む何気ない会話のあたりで犯人探しが自然に物語から抜け落ちていることに気づき、これは意図的な省略なのだと納得できたからです。

リザードの正体はコナーズ博士——彼は最後どうなったのか

リザードの正体はカート・コナーズ博士。そして彼は死なない。解毒血清によって人間の姿に戻り、生きたまま収監される。

コナーズは、右腕を失った科学者だ。失った四肢を再生させる——トカゲが尻尾を再生するように——という研究に人生を懸けている。ピーターの実父リチャード・パーカーとは共同研究者であり、リチャードの失踪後も研究を引き継いでいた。

彼の研究が完成しなかった理由は、たったひとつ足りないピースだった。血清の効果がどのくらいの速さで失われるかを制御する「崩壊率の数式」である。

そしてその数式を持っていたのが、父の遺した鞄を開けたピーターだった。ピーターは、父の同僚に会えた高揚感のまま、黒板に数式を書き上げてしまう。コナーズの目の色が変わる場面だ。

ここから歯車が狂い出す。オズコープ社の重役ラジット・ラサ博士(イルファン・カーン)が、人体での実験を急げとコナーズに圧力をかけるのだ。研究の正当性も、被験者の安全も待ってくれない。追い詰められたコナーズは、自分自身に血清を打つ。

腕は生えた。だが、代償として彼はトカゲ人間へと変わっていく。

リザードとしてのコナーズが恐ろしいのは、暴力ではなく思想のほうだ。彼は「人間は弱い、トカゲの再生能力を持てば誰も苦しまない」という結論に至り、ニューヨーク市民全員をリザード化させようとする。善意が反転した先に立っている——このタイプの悪役が、私はいちばん怖い。

クライマックスの舞台はオズコープ・タワーの屋上。ピーターはコナーズが用意した装置に解毒血清を仕込み、ニューヨークの空へ散布する。リザード化しかけていた市民たちは元に戻り、コナーズ自身も人間の姿を取り戻す。

そして重要なのは、ピーターがコナーズを殺さないことだ。屋上での最後の場面で、コナーズは正気を取り戻し、ピーターを庇うように立つ。彼は加害者であると同時に、圧力と焦りに押し潰された被害者でもある。だからこの映画は、彼を殺さずに独房へ送る。

おたくライター

【結論】: コナーズを単なる悪人として見ると、本作の後味を読み違えます。
なぜなら、彼が暴走する引き金を引いたのはピーターが黒板に書いた数式であり、屋上でのラストの振る舞いまで含めて「加害者でありながら被害者でもある人物」として設計されているからです。

ジョージ・ステイシー警部の死と、ピーターに交わさせた「約束」

ジョージ・ステイシー警部はリザードに刺されて殉職する。そして死の間際、ピーターに「グウェンを巻き込むな」と約束させる。

この人物の描き方が、本作でいちばん巧みだと思っている。

序盤のジョージは、完全にピーターの敵だ。記者会見で「スパイダーマンは自警団であり犯罪者だ」と言い切る。夕食の席では、娘の同級生であるピーターと真正面から言い争いになる。制服警官の親と、正体を隠した高校生。すれ違いようがない関係だった。

それが変わるのは、彼がスパイダーマンの正体を知ってからだ。マスクを剥がされ、目の前に娘の同級生の顔が現れる。ジョージはそこで彼を逮捕しない。逆に、リザードを止めるために自分の銃と自分の身体を差し出す。

オズコープ・タワーの屋上、ショットガンを構えたジョージがリザードに立ち向かう場面は、この映画の隠れたハイライトだ。液体窒素のホースを撃ち抜き、冷気を浴びせて足止めまでする。中年の警察官が、化け物相手に一歩も引かない。そして胸を刺される。

倒れたジョージがピーターに遺すのは、感謝でも激励でもない。約束だ。グウェンを巻き込むな、もう近づくな、と。

これは遺言であると同時に、呪いでもある。父親として娘を守ろうとした言葉が、ピーターにとっては一生外れない枷になる。しかも、その枷をはめた本人はもういない。撤回してもらうことも、許してもらうこともできないのだ。

この重さを対比で際立たせているのが、直前のクレーンの場面だと思う。序盤でピーターが車から助け出した少年、その父親がクレーン運転手で、負傷したスパイダーマンのために仲間へ無線で呼びかける。ニューヨークじゅうのクレーンが一直線に並び、オズコープ・タワーへの道ができる。

街には受け入れられた。けれど、恋人の父親ひとりを救えなかった。この落差が、続く場面の切なさを何倍にもしている。

おたくライター

【結論】: 屋上での約束のシーンは、『アメイジング・スパイダーマン2』を見る前にもう一度だけ再生してください。
なぜなら、続編でピーターがジョージの幻影を繰り返し見る理由も、グウェンに対して煮え切らない態度をとる理由も、すべてこの数十秒の会話の中に入っているからです。

ラストの「守れそうにない」は何を意味するのか——続編の悲劇はここで決まっていた

ピーターが約束を破ると告げるラストシーンは、続編でグウェンが死ぬ運命を確定させた分岐点である。

ジョージの葬儀のあと、ピーターはグウェンから距離を置こうとする。理由は言えない。言えば、彼女の父が死ぬ間際に何を頼んだかを話すことになる。グウェンは「あなたは何も言わない」と怒り、二人は離れる。

背中を押すのはメイおばさんだ。伯父を失ったばかりの彼女が、それでもピーターに「あなたのお父さんもそうだった」と語りかける。この短い会話が効く。

そして教室。遅刻してきたピーターに、教師のミス・リッターが釘を刺す。「守れない約束はしないことね」。ピーターはグウェンを見ながら笑って答える。「でも、そういう約束がいちばんいい」と。

初めて見たとき、私はここを完全に甘酸っぱいシーンとして受け取った。若い二人が、父親の遺言よりも今の気持ちを選んだ。青春映画としての着地——そう思っていた。

ところが『アメイジング・スパイダーマン2』(2014年)を見たあとで、この教室の場面を見返すとまったく別の顔になる。

続編のピーターは、街のあちこちでジョージの幻影を見る。約束を破った罪悪感が、そのまま形になって現れるのだ。彼はグウェンと別れようとしては戻り、また離れようとする。そして最終的に、グウェンは命を落とす。

つまり、あの教室の笑顔は「悲劇のスタートボタン」だった。ここで約束を破ると決めた瞬間に、続編の結末は動き出している。

多くのまとめ記事は、このラストを「ハッピーエンド」と一行で片づけてしまう。でも、シリーズを通して見た人にとって、あれはシリーズでもっとも残酷なシーンのひとつだと思う。

おたくライター

【結論】: 1作目のラストは、続編を見た後にもう一度見ると別の映画になります。
なぜなら、私自身が『2』を見終えたあとに教室の場面を再生して、グウェンの笑顔をまともに見ていられなくなったからです。この落差こそ2部作を通しで見る価値だと思っています。

エンドロール中の“影の男”は誰なのか——ノーマン・オズボーン説が確定しない理由

正体は本編で明かされていない。そして、演じたリス・エヴァンス本人も「オズコープの代表者」としか語っていない。

まずシーンを確認しよう。エンドロールの途中、収監されたコナーズ博士の独房が映る。暗がりから男が現れ、「ピーターに父親のことを話したのか」と問う。コナーズは「何も話していない」と答え、男は闇に溶けるように消える。顔は最後まで見えない。

日本語のまとめ記事の多くは、この男を「ノーマン・オズボーン」と断定して説明を終わらせている。確かに作中では、ピーターがオズコープに入館する際に創業者ノーマン・オズボーンのシルエット表示が映る。名前も繰り返し出てくる。本人だと考えたくなるのは自然だ。

でも、公式サイドの発言はそこまで言い切っていない。コナーズを演じたリス・エヴァンスは、このシーンについてこう語っている。

And he’s visited by, shall we say, a representative from Oscorp. How he gets into that cell and how he leaves that cell without the guards knowing? We have yet to find out.(彼のもとを訪れるのは、言うなればオズコープからの“代表者”だ。どうやってあの独房に入り、看守に気づかれずに出ていったのか。それはまだ分かっていない)

出典: Marc Webb Discusses ‘Amazing Spider-Man’ Mid-Credits Scene & Mystery Villain – ScreenRant

「representative(代表者)」という言葉選びに注目してほしい。オズボーン本人であれば、代表者とは呼ばない。

監督のマーク・ウェブも、正体を明かさないまま含みを持たせている。

We wanted to convey that there were more forces at work than you may have initially thought.(当初思っていたより多くの力が働いていることを伝えたかった)

出典: Marc Webb Discusses ‘Amazing Spider-Man’ Mid-Credits Scene & Mystery Villain – ScreenRant

つまり正確に書くなら、こうなる。ノーマン・オズボーンの可能性はあるが、公式には確定していない。オズコープ側の何者かであることだけが確かだ。

なお続編『アメイジング・スパイダーマン2』では、同じ俳優が演じる同系統の人物が「グスタフ・フィアーズ(ザ・ジェントルマン)」としてクレジットされている。それでも本作単体の時点では、この男がノーマン・オズボーン本人だと示す描写はない。

ここを「ノーマンです」と断定してしまうと、シリーズが2作で終わった経緯まで見え方が変わってしまう。私自身、友人に「あれはノーマンだよ」と断言してしまい、あとで訂正するはめになった。断定できないことを断定しない——それも情報としての誠実さだと思う。

なぜ賛否が分かれるのか——ライミ版との比較で見えてくるもの

評価が割れる原因はシンプルだ。原作準拠に寄せた部分が高く評価される一方、10年で二度目のオリジンと、未回収のまま終わった両親の謎が不満の中心になっている。

まず、支持される点から。

第一に、機械式ウェブシューターの採用だ。サム・ライミ版のピーターは体質として糸を出したが、本作のピーターは自分でシューターを作る。オズコープ製の高強度繊維カートリッジを使い、戦闘中に糸が切れて焦る場面まである。原作のピーターが「頭のいい高校生」であることを、道具で示している。

第二に、ピーターの人物像。皮肉屋で、軽口を叩き、スケートボードに乗る。陰鬱一辺倒だったライミ版と、饒舌なMCU版のちょうど中間くらいの温度感だ。

第三に、ヒロインがメリー・ジェーンではなくグウェン・ステイシーであること。原作の時系列に沿った選択で、しかもグウェンが自分でオズコープの装置を操作する能動的な人物として描かれている。

音楽を『タイタニック』のジェームズ・ホーナーが手がけている点も、私は好きだ。ヒーローの高揚より、喪失のほうに寄り添う旋律だと感じる。

一方、不満の側はどうか。

最大の理由は、オリジンの繰り返しだ。ライミ版1作目からわずか10年で、またクモに噛まれ、また伯父が死ぬところから見せられる。「そこは知っている」という観客のストレスは大きかった。

もうひとつが、両親の謎の宙吊りである。冒頭で幼いピーターが父の書斎を見つける場面から始まり、リチャードが何を隠して失踪したのかが引っ張られ続ける。ところが本作では答えが出ない。続編に持ち越されたまま、シリーズ自体が全2作で打ち切られてしまった。

リザードの造形(マズルのない平坦な顔)への不満も根強い。原作の吻の長い姿を期待した人ほど、そう感じたようだ。

ちなみに数字で見ると、決して失敗作ではない。全世界興行収入は約7億5,000万ドル超(集計により7億5,221万〜7億5,800万ドル)、アメリカ・カナダでは262,030,663ドルを記録した。日本でも興行収入31.6億円を挙げている。日本公開は2012年6月30日で、アメリカの7月3日より早い公開だった。それでも続編の北米成績が期待に届かず、シリーズは2作で幕を閉じる。

そして2021年、アンドリュー・ガーフィールドは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に別ユニバースの存在として再登場する。あの映画で彼の演技に涙した人が、いまこの1作目を遡って見ている——という現在地だ。

アメイジング・スパイダーマンを見るならどこ?【VODサービス比較】

『アメイジング・スパイダーマン』は複数の主要サービスで見放題配信されている。シリーズを通しで追いたいならU-NEXTが有力だ。

この作品は、屋上のクレーン渋滞のカットや、地下鉄で能力が暴走する場面など、画面の情報量で押してくるタイプの映画だと思う。上映時間136分の終盤は夜のニューヨークを舞台にした場面が続くので、暗部の階調がつぶれない環境で見たほうが確実に印象が変わる。スマホの小さな画面で流し見するより、テレビかタブレットで腰を据えて見てほしい一本だ。

サービス料金無料お試し期間配信形態おすすめ度
U-NEXT月額2,189円31日間見放題★★★★★
Amazon Prime Video月額600円〜30日間見放題★★★★☆
Hulu月額1,026円なし見放題★★★★☆
Netflix月額890円〜なし見放題★★★☆☆
Lemino月額1,540円〜31日間見放題★★★☆☆

※配信状況は変動します。視聴前に各サービスの公式ページで最新情報をご確認ください。

迷ったらU-NEXTをおすすめします。 理由は本作固有の事情で、この映画は1作目だけ見て終われる作品ではないからだ。ラストの「約束を破る」場面の意味は、続編『アメイジング・スパイダーマン2』を見て初めて完成する。さらにサム・ライミ版やMCU版と比較したくなる人も多い。シリーズをまたいで一気に追える環境を優先すると、31日間の無料お試し期間がある同サービスがいちばん無駄がない。

とにかく安く1本だけ見たい、という人はAmazon Prime Videoでも十分だ。月額600円〜と負担が軽く、30日間の無料お試し期間もある。

原作アメコミ『アメイジング・スパイダーマン』を読む方法【電子書籍比較】

映画のあとに原作を読むなら、電子書籍が入り口として現実的だ。紙のアメコミ邦訳版は品切れになりやすいためである。

映画のラストでピーターが破った「グウェンに近づくな」という約束。その先に何が待っているのかは、実は原作コミックにすでに書かれている。

1973年刊行の『ジ・アメイジング・スパイダーマン』121-122号、いわゆる「グウェン・ステイシーの死」のエピソードだ。続編『アメイジング・スパイダーマン2』のクライマックスは、この回を下敷きにしている。

だから読む順番としては、映画2作を見終えてからこの121-122号にあたるのが理想だと思う。逆順だと結末を知った状態で映画を見ることになり、あの教室のシーンの重みが半減してしまう。

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作品にハマったあとに効いてくるのが現物だ。スパイダーマンはグッズの流通量が多く、Blu-ray/DVDやフィギュアが中古市場に潤沢に出回っている。特にアメイジング版はシリーズが2作で終わっているぶん、2作品セットのパッケージが手頃な価格で見つかりやすい。

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よくある質問(FAQ)

アメイジング・スパイダーマンはサム・ライミ版の続きなの?

いいえ、続きではありません。スタッフもキャストも一新した「スパイダーマン誕生」からのリブート第1作です。実写映画としては4本目にあたりますが、物語はライミ版3部作とつながっていません。続編は『アメイジング・スパイダーマン2』(2014年)の1本だけです。

ベンおじさんを撃った犯人は続編で捕まるの?

いいえ、本作でも続編でも逮捕は描かれません。犯人はピーターが雑貨店で見逃した強盗犯ですが、物語の焦点がリザード事件へ移ったあと、そのままスクリーンから消えます。ライミ版で犯人が転落死する決着と混同されやすい部分です。

コナーズ博士(リザード)は死んだの?

いいえ、死にません。オズコープ・タワー屋上から散布された解毒血清によって人間の姿に戻り、生きたまま高警備の施設に収監されます。ピーターが手を下すこともありません。その後の様子はエンドロール中のシーンで描かれます。

グウェンのお父さんはなぜ死んだの?

リザードに刺されて殉職します。ジョージ・ステイシー警部はスパイダーマンの正体を知ったうえで共闘し、オズコープ・タワー屋上でリザードに立ち向かって致命傷を負いました。死の間際、ピーターに「グウェンを巻き込むな」と約束させます。

エンドロール後に何かある? 最後まで見たほうがいい?

はい、エンドロールの途中にミッドクレジットシーンがあります。収監中のコナーズ博士の独房に謎の男が現れ、ピーターの父について問いただす短い場面です。続編への布石になっているので、席を立たずに見ることをおすすめします。

ピーターの両親はどうなったの?

本作では明確な答えが出ません。父リチャード・パーカーはオズコープ社の科学者で、研究室を荒らされて身の危険を感じ、妻メアリーとともに姿を消したと描かれます。報道上は飛行機事故で死亡とされますが、その真相は続編に持ち越されました。

アメイジング・スパイダーマンはなぜ2作で終わったの?

続編『アメイジング・スパイダーマン2』の北米興行成績と評価が期待を下回り、2015年のソニーとマーベル・スタジオの提携でスパイダーマンがMCU側に再リブートされたため、シリーズが打ち切られたためです。当初は3部作以上の構想があったとされますが実現せず、張られていた伏線は回収されないまま終わりました。

『ノー・ウェイ・ホーム』のアンドリュー・ガーフィールドはこの映画の続きなの?

直接の続編ではありませんが、地続きの人物として登場します。2021年の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』には、別ユニバースの存在としてアメイジング版のピーターが現れます。本作と『2』を見ておくと、あの登場の重みが何倍にもなります。

まとめ

最後に、この記事の要点を整理しておく。

  • ベンおじさんを撃ったのは、ピーターが雑貨店で見逃した逃走中の強盗犯。作中で逮捕されず、決着しないまま終わる
  • リザードの正体はカート・コナーズ博士。解毒血清で人間の姿に戻り、殺されずに収監される
  • ジョージ・ステイシー警部はリザードに刺されて殉職し、ピーターに「グウェンを巻き込むな」と約束させる
  • ラストで約束を破ると告げる場面が、続編『アメイジング・スパイダーマン2』の悲劇の起点になっている
  • エンドロール中の影の男の正体は公式には確定していない。演者も監督も断定を避けている

正直なところ、この映画は単体で見ると「よくできたリブート」で終わってしまう。けれど、ラストの数十秒に何が仕込まれていたかを知ってから見返すと、まったく別の映画に化ける。

まずは本編を、そのあと『2』を。その順番で見たとき、アンドリュー・ガーフィールドのピーター・パーカーが背負っていたものが、はっきり形になって見えてくるはずだ。なお、アメイジング版2部作はサム・ライミ版ともMCU版とも物語がつながっていないので、この2本だけを独立して見ても話は完結する。ライミ版やMCU版の予習は不要だ。

参考文献・出典

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