【九条の大罪】壬生の裏切りはなぜ?犬飼殺害から九条逮捕までの真意——原作9巻・第79〜80審で描かれた「自衛か、守るためか」を徹底考察

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九条の大罪 壬生の裏切り解説記事のアイキャッチ画像。雨に濡れた夜の裏路地に置かれたキャリーケースと長い影に『壬生はなぜ九条を売ったのか』のコピー

※本記事は物語の核心に触れるネタバレを含みます。

壬生憲剛(みぶ けんご)の「裏切り」とは、京極清志が「生け捕りにしろ」と命じた犬飼勇人(いぬかい ゆうと)を独断で殺害し、自首の場で「九条が犬飼に逃げろと言った」と供述した一件を指す。この供述によって、九条間人(くじょう たいざ)は犯人隠避で逮捕された。原作9巻(第79〜80審)の出来事で、Netflixシリーズ『九条の大罪』全10話ではまだ描かれていない。

——ここで「え、待って」と思った人。その違和感は正しい。

ドラマを一気見して、最終話の余韻のまま「壬生 裏切り」で検索した。なのに出てくる記事はどれも、自分が見た覚えのない場面を語っている。自分が寝落ちしたのか、集中が切れていたのか。正直、私も最初はそう疑った。

でも見落としではない。ドラマが映像化したのは、この裏切りの一歩手前までだ。

この記事では、壬生が実際に何をしたのかを主語と対象を取り違えずに整理し、そのうえで「なぜ売ったのか」という問いに、断定せずに向き合う。動機は作中で説明されていない。だからこそ、どこまでが事実でどこからが解釈なのかを分けて置いていく。

この記事を書いた人
藤沢あかり——原作『九条の大罪』を1巻から最新17巻まで電子書籍で読破。Netflixドラマ全10話も視聴し、ドラマと原作の対応を小学館公式の収録話一覧と突き合わせて巻・審単位で照合済み。真鍋昌平作品は『闇金ウシジマくん』全46巻も完走した沼の住人。

※本記事は2026年8月(原作17巻発売時点)の情報です。原作は連載中のため、以降の展開で状況が変わる可能性があります。

💡この記事でわかること
  • 壬生憲剛の「裏切り」が具体的に何をした出来事なのか(犬飼殺害から九条逮捕までの流れ)
  • 壬生が九条を売った理由として語られる2つの読みと、作中がどこまで説明しているか
  • ドラマで裏切りを見た記憶がない理由と、原作の何巻・何審で読めるのか
  • 裏切りのあと九条・壬生・京極がそれぞれどうなったのか
  • この一件を映像で見られるのはいつか(『映画 九条の大罪』2027年1月8日公開)
九条の大罪 壬生の裏切り相関図。壬生憲剛を中心に、九条間人・京極清志・犬飼勇人・嵐山義信・京極猛の6人が、殺害・自首・名指し供述・逮捕でどうつながっているかを図示
目次

壬生の裏切りとは何だったのか——犬飼殺害から九条逮捕までの一部始終

ここから先はネタバレを含みます!
原作9巻までの核心に触れます。まだ読んでいない方は、先に本編をご覧になることを強くおすすめします。

壬生は京極の「生け捕り」命令を無視して犬飼を殺し、京極から預かっていた銃を持って自首し、そのうえで九条を巻き込む供述をした。順番を間違えると因果が崩れる場面なので、4段階に分けて固定していく。

発端は京極の息子・猛の死——犬飼が踏み越えた一線

すべての起点は、犬飼勇人が京極清志の息子・猛を殺害したことにある。

犬飼は猛を拉致して制裁を加えた。だが、その最中に自分の顔を見られてしまう。口封じを決めた犬飼は、猛を山に生き埋めにして殺した。

ここで押さえておきたいのは、犬飼が「誰の息子か知らずに」手をかけている点だ。伏見組の若頭の一人息子を消してしまった。半グレが踏んではいけない地雷を、それと知らずに踏み抜いた形になる。

そもそも犬飼は、10年前に嵐山義信刑事の娘・小川愛美を殺した事件の主犯だ。金品を奪い、河川敷で暴行し、意識を取り戻した愛美に顔を見られたために絞殺している。10年以上の不定期刑を終えて出所したばかりだった。

同じ「顔を見られたから殺す」を、10年空けて二度やっている。この反復が、犬飼という人物の底の抜け方を示している。

「生け捕りにしろ」を無視して、壬生は犬飼を殺した

息子を殺された京極は、犯人捜しに動いた。そして部下に指示を出す——犬飼を生け捕りにしろ、と。

生かして連れてこい、という命令だった。自分の手で落とし前をつけるつもりだったのだろう。

ところが第79審で、壬生は犬飼を殺してしまう。京極の命令に反する独断だ。

問い詰められた壬生は「逃げようとしたので」と答えている。京極はこの説明を嘘と疑うが、それ以上は追及しきれない。壬生は犬飼の遺体をキャリーケースに詰め、京極のもとへ自ら運んでいる。

命令したのは京極、実行したのは壬生。しかも実行の中身は命令と正反対だった。ここは取り違えやすいので、はっきり分けておきたい。

なぜ壬生は生かしておかなかったのか。犬飼が京極に引き渡されて口を割れば、壬生の側の事情まで全部出る。そう読めば、この殺害は自分の系列を守るための口封じにも見えてくる。

壬生が警察署へ運んだのは「京極から預かった道具」だった

そして壬生は、警察署へ向かう。

このとき壬生が両腕に抱えていたのは、自分の得物ではない。京極から預かった道具——つまり銃だ。それを持ったまま嵐山のもとへ出頭している。

ここが、この一件でいちばん見落とされやすい。

まとめ記事の多くは「壬生が自首して九条を売った」で終わってしまう。でも、壬生が持ち込んだ荷物の中身まで見ると、この一手はもっと多くを片づけている。

  • 犬飼という不安要素を、自分の手で消した
  • 京極の銃を警察に届けることで、京極を銃刀法違反に沈めた
  • 自分は「自首した者」として、警察と交渉できる位置に立った

一手で三つ。少なくとも結果としてはそうなった。九条の逮捕は、この一手の副産物とも読める。

「九条が逃げろと言った」——この一言で九条は犯人隠避に

第80審。自首の場で壬生が口にしたのが、あの供述だ。

九条が犬飼に逃亡を指示した——。

この一言で、九条間人は犯人隠避の容疑で逮捕される。殺人犯である犬飼を逃がそうとした、という嫌疑だ。弁護士が依頼人を逃がしたとなれば、起訴されてバッジが飛ぶ。弁護士生命が終わる。

読者が「裏切り」と呼んでいるのは、正確にはこの供述のことだ。犬飼を殺したことでも、自首したことでもない。九条を名指しした、この一点である。

おたくライター

【結論】: 「壬生が九条を売った」だけを覚えて読み進めると、第79審で壬生が抱えていた荷物の意味を取りこぼす。
なぜなら、壬生が警察署へ持ち込んだのは自分の得物ではなく京極から預かった道具で、九条の逮捕と京極の逮捕が同じ一手の表裏になっているから。私は初読のとき完全に見落とし、2周目でようやく気づいた。

なぜ壬生は九条を売ったのか——「自衛」と「守るため」2つの読みを検証する

作中に断定的な説明はない。自分が潰されないための処理だったという読みと、九条を勾留下に逃がしたという読みが、いまも並立している。

九条弁護士と烏丸弁護士の繰り広げる弁護活動は、ふつうの弁護士の目から見るとかなり逸脱していて、危なっかしい。それなのに、結果は悪くない。

出典: 真鍋昌平「九条の大罪」2巻に各界から推薦コメント – コミックナタリー, 2021年5月28日

弁護士の弘中惇一郎が原作2巻に寄せた推薦コメントだ。プロの目から見ても危なっかしい九条のやり方が、それでも結果を出してしまう。この読めなさが、壬生の一手をどう解釈するかにもそのまま効いてくる。

どちらかを「正解」として書いている記事は多い。ただ、真鍋昌平は壬生の口から理由を語らせていない。だからここでは、両方を並べたうえで、作中に置かれた手がかりだけを拾う。

読み①——京極と伏見組の追及から自分を守るための処理だった

ひとつめは自衛説だ。

このとき壬生は完全に袋小路にいた。息子を殺された京極の犯人捜しが凶暴化し、伏見組の目が自分の系列に向き、嵐山の捜査も並走している。

犬飼を生かして引き渡せば、京極の拷問で全部吐かれる。かといって黙って消せば、京極への裏切りになる。どちらに転んでも詰む。

そこで壬生は、自分から警察の側へ飛び込んだ。留置場は、少なくとも京極の手が届かない場所だ。同時に京極の銃を差し出して、京極自身を動けなくした。

この読みに立つと、九条を巻き込んだ供述は「自分が動ける時間を稼ぐためのカード」になる。冷たいが、筋は通っている。

読み②——勾留という「手の届かない場所」へ九条を逃がした

ふたつめは、九条を守るためだったとする読みだ。

九条は当時、半グレとヤクザの両方に食い込みすぎていた。伏見組の抗争が本格化すれば、真っ先に報復の対象になる位置にいる。

勾留されれば、少なくとも外の暴力からは切り離される。壬生は九条のしぶとさを知っている。黙秘さえ貫けば、弁護士バッジは守れると踏んだ——そう読むこともできる。

実際、九条は勾留中に黙秘を通し、起訴されずに釈放された。結果だけ見れば、この読みは成立してしまう。

ただ、これは結果からの逆算でもある。壬生がそこまで計算していた証拠は、作中に明示されていない。

作中は答えを出していない——手がかりは「独り言」と「別に。何も。」

では、まったく手がかりがないのかというと、そうでもない。

ひとつめ。第79審の時点で、壬生は九条の「独り言」に従って警察へ出頭したと描かれている。九条は弁護士として直接言えないことを、独り言の形で相手に届ける。この作品でくり返し使われる手だ。

つまり、出頭という選択そのものは、九条が示した筋だった可能性がある。ここまでは二人の合意事項だったのかもしれない。

だとしても、その先——九条自身を名指しする供述までが合意だったのか。そこは作中で明かされていない。

ふたつめの手がかりは、九条の反応だ。第82審、勾留中の取り調べで嵐山が九条を挑発する。信頼していた人間に裏切られた気分はどうだ、と。

九条の答えは、たった6文字だった。

「別に。何も。」

怒りも落胆もない。想定内だったのか、感情を見せない流儀なのか、そこも語られない。ただ、裏切られた側がこの反応を返すという事実だけが置かれている。

そして九条は、勾留下でも打つ手を捨てていない。第81審では烏丸真司(からすま しんじ)を弁護人に選任するよう要求している。折れていないのだ。

正直、この場面の落とし所を「和解した」の一言で片づけるのは、もったいないと思う。

解釈が割れるのは、壬生というキャラクターの振れ幅そのものが原因だと思う。部下の失態には容赦がなく、必要なら自分の手で始末する男だ。その一方で、飼い犬を自らの手で殺させられて泣いた男でもある。この幅があるから、まったく同じ行動が保身にも庇護にも見えてしまう。読者ごとに答えが変わるのは、キャラクター設計の結果だ。

おたくライター

【結論】: 動機を1つに決めようとするほど、この場面はつまらなくなる。
なぜなら、第82審で嵐山に裏切られた気分を尋ねられた九条が「別に。何も。」としか返さない以上、作品自体が読者に答えを渡すつもりがないと分かるから。

ドラマで裏切りを見た記憶がないのは正しい——裏切りは原作9巻・第79〜80審にある

ドラマ全10話が映像化したのは原作8巻中盤〜9巻冒頭まで。裏切りはその先の第79〜80審、つまり原作9巻に収録されている。

「自分が見落とした」のではない。単純に、まだ映像になっていないのだ。

最終話のタイトル「暴力の連鎖」は、原作の章の名前そのもの

ここに気づくと一気にスッキリする。

Netflixシリーズの最終話、第10話のタイトルは「暴力の連鎖」だった。実はこれ、原作の章の名前と同じである。

小学館の公式情報によると、原作10巻の収録話は第81審〜第88審で、各話のサブタイトルは「暴力の連鎖8」から「暴力の連鎖15」。ということは、「暴力の連鎖1」は第74審——つまり9巻の冒頭にあたる。

ドラマは、この章の入口で幕を下ろしている。章のタイトルだけ借りて、中身はこれから、という終わり方だ。

だから最終話は、京極の息子が拉致されたところで止まる。壬生が犬飼を殺すのも、自首するのも、九条が逮捕されるのも、全部その先の話になる。

小学館公式の収録話一覧で確かめる——9巻=第74〜80審

「何巻で読めるのか」は、まとめ記事によって10巻だったり10〜11巻だったりバラバラだ。根拠を書いているものは、ほとんど見かけない。

小学館のビッグコミックBROS.NETには巻ごとの収録話一覧が載っている。そこを見れば一意に決まる。

  • 9巻(2023年9月28日発売)=第74審〜第80審
  • 10巻(2023年12月27日発売)=第81審〜第88審「暴力の連鎖8〜15」
  • 11巻(2024年2月29日発売)=第89審〜第96審

犬飼殺害が第79審、自首と供述が第80審。どちらも9巻の中だ。

9巻の公式あらすじも、この巻が何の巻かをはっきり示している。

九条間人、終わる――――――…… ヤクザや半グレの弁護も引き受ける九条弁護士。悪徳弁護士と揶揄されても仕方ないようなスタイルを潰そうとする”オモテ”に生きる者たちの狙いはひとつ……九条の逮捕!そして弁護士バッジの剥奪!!

出典: 九条の大罪 第9集 – 小学館 ビッグコミックBROS.NET

「九条の逮捕」と書いてある。9巻がその巻だ。

なお、ドラマの続きをどこから読むかについては、『九条の大罪』の続きは原作何巻からかを整理した記事で読む順番や巻数までまとめている。

10巻は「勾留編」、11巻で九条はリスタートする

では10巻は何をやっているのか。公式あらすじはこうだ。

九条弁護士、バッジが飛ぶ!? 勾留中の九条を嵐山刑事が執拗な取り調べで追い詰める。起訴されて弁護士バッジが飛べば、弁護士として一巻の終わり。九条に一筋の光明が差し込むのはいつだ!?

出典: 九条の大罪 第10集 – 小学館 ビッグコミックBROS.NET

もう勾留されている。つまり10巻は、裏切りの巻ではなく、その結果を受ける巻だ。

そして11巻の公式あらすじが「逮捕、勾留、そして釈放。昨日までの自分を棄てた今………弁護士・九条リスタート!!」と受ける。ここから白栖総合病院を舞台にした新章が始まる。

9巻で撃たれて、10巻で耐えて、11巻で立ち上がる。この3冊がワンセットになっている。

おたくライター

【結論】: ドラマから入った人は、10巻ではなく9巻から開くこと。
なぜなら、私は「10巻の出来事」と書いたまとめを信じて10巻から買ってしまい、犬飼殺害(第79審)と自首(第80審)が丸ごと前の巻にあって読み戻す羽目になったから。

裏切りの顛末は劇場版で描かれる——『映画 九条の大罪』2027年1月8日公開

劇場版の公式あらすじには「壬生は京極を裏切り」「九条に逮捕状を突きつける」と明記されている。まさにこの一件が題材だ。

2026年7月30日に発表された『映画 九条の大罪』は、2027年1月8日公開。配給は東宝で、ドラマの続きにあたる完全新作である。

つまり、いま原作を読まずに待つという選択肢も出てきた。

公式あらすじが明かす「壬生は京極を裏切り」——裏切りの相手は二重になっている

ここで面白いのが、公式が使っている言葉だ。

映画ナタリーが伝えた劇場版のあらすじは、こう始まる。壬生の手下がヤクザの若頭・京極の息子を誤って拉致することから物語が動き、それを知った壬生は京極を裏切り、最悪の事態に備えて行動を起こす——。

「九条を裏切り」ではない。京極を裏切った、と書かれている。

この視点に立つと、一つの行動の見え方が変わる。壬生が起こした行動は、京極に対しては明確な裏切りだ。そして同じ一手が、九条に対しては裏切りに見える結果を生んだ。

裏切りの相手が二重になっている。誰の側から見るかで、この一手の名前が変わる。読者がずっとモヤモヤしてきた理由の一つは、たぶんここにある。

ドラマから続投するキャストと制作陣

キャストはドラマ版から総入れ替えなしで続投する。九条間人役の柳楽優弥、烏丸真司役の松村北斗、薬師前仁美役の池田エライザ、壬生憲剛役の町田啓太、嵐山義信役の音尾琢真、京極清志役のムロツヨシ。

監督の土井裕泰、脚本の根本ノンジもドラマから引き続き担当している。

主演の柳楽優弥は、映画で何が回収されるのかをこう語っている。

Netflixシリーズをご覧になった多くの方から「続きが気になる」という声をいただきましたが、映画ではドラマで描かれた伏線や疑問にもしっかりと答えが示されています。

出典: Netflixシリーズ「九条の大罪」が映画化、柳楽優弥・SixTONES松村北斗ら再集結 – 映画ナタリー, 2026年7月30日

プロデューサーの那須田淳のコメントも、ドラマ視聴者が抱えたモヤモヤを正面から認めている。

世界配信中Netflixシリーズの衝撃的なラスト!あの続きはいつ観れるのか!?多くの方に聞かれてきました。

出典: Netflixシリーズ「九条の大罪」が映画化、柳楽優弥・SixTONES松村北斗ら再集結 – 映画ナタリー, 2026年7月30日

ドラマは日本のNetflix週間TOP10で4週連続1位を獲得している。「続きが気になる」と言った人が、それだけいたということだ。

ちなみにティザー映像のコピーは「九条、逮捕状だ」。もう隠す気がない。

裏切りのその後——九条・壬生・京極はどうなったのか

九条は黙秘を貫いて釈放され、京極は銃刀法違反で逮捕のうえ伏見組から絶縁、壬生は国外へ逃れている。三者三様に、元の場所へは戻れなくなった。

九条——黙秘を貫いて釈放、11巻から新章へ

勾留された九条は、嵐山の取り調べに対して黙秘を通した。

第81審では、烏丸真司を弁護人に選任するよう要求している。手も足も出ない状態ではなかった、ということだ。

結果、九条は起訴されずに釈放される。11巻の公式あらすじが「逮捕、勾留、そして釈放」と受け、そのまま白栖総合病院編へ入っていく。

ただ、同じあらすじには「昨日までの自分を棄てた今」という一文もある。無傷では出てきていない。

京極——銃刀法違反で逮捕、伏見組から絶縁

壬生が届けた銃によって、京極清志は銃刀法違反で逮捕された。

さらに京極は伏見組から絶縁される。息子の件で私怨を暴走させ、組全体に警察のリスクを持ち込んだ——組の論理から見れば、切るしかない相手になっていた。

若頭という立場から一転、組の外へ放り出された形だ。刑期の長さについては情報源によって記述が分かれるため、ここでは断定しない。

伏見組の側では、若頭補佐の出雲雅巳が「京極は誰にはめられたのか」を追い始める。この線はまだ終わっていない。

壬生——菅原とともにバンコクへ

壬生自身も銃刀法違反で逮捕されたが、警察との取引によって不起訴の可能性が示唆されている。

その後の壬生は、介護施設「輝興儀」代表の菅原遼馬とともにタイ・バンコクへ逃れた。16巻の時点で、出雲の部下に発見されている。

追われながら、まだ動いている。既刊17巻の時点で、壬生に死亡の描写はない。

おたくライター

【結論】: 「和解した」の一言で片づける前に、九条が釈放後に何を捨てたのかを見てほしい。
なぜなら、11巻の公式あらすじが「昨日までの自分を棄てた今………弁護士・九条リスタート!!」と書いていて、この一件が九条自身を作り変えた区切りとして扱われているから。

壬生憲剛とは何者か——半グレの会長と、パグの「おもち」

表向きは自動車整備工場を経営し、裏では飲み屋を何件も束ねる半グレのリーダー。京極への憎悪の源は、愛犬おもちの一件にある。

表の顔は自動車整備工場、裏の顔は飲み屋を束ねる会長

壬生の表の顔は、自動車整備工場の経営者だ。

裏では、街の不良少年たちから怖れられつつも慕われる半グレのリーダーとして、サパークラブやラウンジ、ガールズバーなどの飲み屋を何件も経営する会長の立場にある。

部下の失態には容赦がない。必要とあれば自分の手を汚すこともいとわない。犬飼を独断で殺した第79審は、この性質がそのまま出た場面でもある。

九条にとっては、厄介な依頼を持ち込んでくる相手であり、同時に裏社会への入口でもあった。この関係を軸に据えた原作は、2026年7月の時点で累計500万部を突破している。

背中のタトゥーが語る、おもちという傷

壬生が飼っていたパグの名前は「おもち」という。

おもちの過去が描かれるのは原作3巻だ。壬生は伏見組の賭場から売上金を奪おうとして制裁を受けた。そのとき京極が突きつけたのが、二択だった。自分が死ぬか、自らの手でおもちを殺すか。

壬生は、涙ながらにおもちをバットで殴り殺した。

壬生の背中には、そのおもちのタトゥーが彫られている。首から下げているネックレスもパグだ。消せない場所に、消せない傷として残している。

京極への憎しみが、単なる利害の対立ではないことがここで分かる。裏切りの伏線は、ずっと前から背中に彫られていた。

ドラマ・映画で壬生を演じる町田啓太

Netflixシリーズと劇場版で壬生憲剛を演じるのは町田啓太。

原作の壬生は、冷酷さと情の深さが同居する難しい役どころだ。ドラマ版では内面の描写が原作より踏み込んで描かれたという評価も出ている。

原作者の真鍋昌平は、劇場版に寄せたコメントで作品の芯をこう表現している。

不穏で不安な世界で、どの立場の人にもそれぞれの考えと生き方があって、人を大切に思う気持ちに繋がっていく。

出典: Netflixシリーズ「九条の大罪」が映画化、柳楽優弥・SixTONES松村北斗ら再集結 – 映画ナタリー, 2026年7月30日

「どの立場の人にもそれぞれの考えと生き方がある」。壬生の裏切りを一つの動機に還元できないのは、この作品がそもそもそういう設計になっているからだと思う。

『九条の大罪』を読む・観るならどこ?【電子書籍・Netflix】

裏切りを読むなら原作9巻を電子書籍で。ドラマ版はNetflixの独占配信で、他の動画配信サービスでは視聴できない。

原作をお得に読むなら【電子書籍ストア比較】

9巻は、第74審から第80審までの7話を収録している。犬飼殺害から自首、そして九条の逮捕まで、この一連が途切れずに1冊に入っている巻だ。紙で探し回るより、電子で9巻をピンポイントに開いたほうが早い。ちなみに最新の17巻は2026年8月3日に発売されたばかりで、既刊17巻すべてが主要ストアで配信されている。

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迷ったらブックライブを選んでおけば間違いない。理由はこの作品の読み方と噛み合っているからだ。ブックライブの初回70%OFFクーポンは1冊まるごとに効いて、しかも金額の上限がない。『九条の大罪』は「まず9巻だけ確かめたい」という読み方をする人が多い作品なので、1冊への割引率が高いクーポンがそのまま効く。9巻で満足できなければそこで止められるし、続きが気になれば10巻・11巻へ進めばいい。

ドラマ版を観るなら【Netflix独占配信】

Netflixシリーズ『九条の大罪』全10話は、2026年4月2日から世界独占で配信されている。他社のVODには降りてきていない。ドラマに第79審の場面そのものは無い。それでも町田啓太が積み上げた壬生の造形を先に見ておくと、9巻でこの男が何を切り捨てたのかが違って読める。全10話一挙配信なので、週末に一気見できるのも助かる。

サービス料金無料お試し期間特典配信状況おすすめ度
Netflix月額890円〜なし全10話一挙配信・世界独占見放題★★★★★

配信先が1社しかないので選ぶ余地はないが、その分「どこで観られるのか」で迷う必要もない。なお、ドラマの全話あらすじと結末についてはNetflixドラマ全10話のネタバレ解説記事にまとめてある。

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電子で読むのとは別に、紙の単行本やドラマ関連のグッズを現物で集めたい人もいると思う。作品にハマった後だと、手元に置いておきたくなるやつだ。

『九条の大罪』は巻数が17巻まで伸びているので、既刊をまとめて紙で揃えるなら中古のほうが総額を抑えやすい。真鍋昌平作品を追うなら『闇金ウシジマくん』の既刊も一緒に探せる。

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📥 保存版:「暴力の連鎖」編の顛末早見表(誰が・何をして・どうなったか)

このままスクショして、9巻を読みながら見返すと人物関係で迷わない。

人物この章でしたこと章の終わりの状態収録巻
犬飼勇人京極猛を拉致・制裁し、顔を見られたため山に生き埋めにして殺害壬生に殺害され、遺体はキャリーケースで京極のもとへ運ばれる9巻(第79審)
壬生憲剛京極の「生け捕り」命令に反して犬飼を殺害。京極から預かった銃を持って自首し、「九条が犬飼に逃亡を指示した」と供述銃刀法違反で逮捕。警察との取引で不起訴の可能性が示唆される9巻(第79〜80審)
九条間人壬生の供述により犯人隠避の容疑で逮捕。勾留中は黙秘を貫き、烏丸を弁護人に選任要求起訴されず釈放。11巻から白栖総合病院編へ9〜11巻
京極清志息子・猛を殺した犯人捜しを指揮。壬生に犬飼の生け捕りを命じる壬生が届けた銃により銃刀法違反で逮捕。伏見組から絶縁9〜10巻
京極猛京極清志の息子。犬飼に拉致される死亡(犬飼により山に生き埋め)9巻
嵐山義信勾留中の九条を執拗に取り調べ、起訴とバッジ剥奪を狙う九条の黙秘により起訴に持ち込めず9〜10巻

よくある質問(FAQ)

壬生の裏切りは原作の何巻で読める?

原作9巻です。小学館の公式収録話一覧によると9巻は第74審〜第80審を収録しており、壬生が犬飼を殺す第79審と、自首して九条を名指しする第80審の両方がこの巻に入っています。9巻の公式あらすじも「九条の逮捕!そして弁護士バッジの剥奪!!」と、この巻の内容を明示しています。

Netflixドラマで壬生の裏切りは描かれたの?

いいえ、まだ描かれていません。ドラマ全10話が映像化したのは原作8巻中盤〜9巻冒頭までで、最終話「暴力の連鎖」は同名の原作章の入口で終わっています。京極の息子が拉致された段階で幕を閉じるため、壬生の犬飼殺害から先はすべてドラマの範囲外です。

壬生が九条を売った理由って結局なに?

作中で断定的には説明されていません。京極や伏見組の追及から自分を守るための処理だったという読みと、九条を勾留下に置いて報復から遠ざけたという読みが並立しています。第82審で嵐山に裏切られた気分を尋ねられた九条が「別に。何も。」としか返さない点も、答えを一つに絞らせない材料になっています。

九条は何の罪で逮捕されたの?

犯人隠避の容疑です。殺人犯である犬飼勇人に逃亡を示唆した、という嫌疑でした。壬生の供述だけを根拠にした逮捕だったため、九条は勾留中に黙秘を貫き、最終的に起訴されずに釈放されています。

壬生はなぜ京極の命令を無視して犬飼を殺したの?

京極は犬飼を生け捕りにするよう命じていましたが、壬生は独断で殺害し「逃げようとしたので」と説明しました。犬飼が京極に引き渡されて口を割れば自分の系列まで手が及ぶため、口封じだったという読み方があります。ただし壬生自身が理由を語る場面はありません。

京極はどうなった?絶縁ってどういうこと?

壬生が警察へ届けた銃により、京極清志は銃刀法違反で逮捕されました。さらに伏見組から絶縁されています。絶縁は組との関係を完全に断ち切る最も重い処分で、息子の件で私怨を暴走させ組にリスクを持ち込んだことが背景にあるとされています。

壬生はその後どうなった?死んだの?

いいえ、既刊17巻の時点で壬生に死亡の描写はありません。銃刀法違反で逮捕されたものの警察との取引で不起訴の可能性が示唆され、その後は菅原遼馬とともにタイ・バンコクへ逃れています。16巻では伏見組の出雲雅巳の部下に発見されました。最新の17巻でも出雲が組内の内通者を追及しており、伏見組が裏切り者を追う線はまだ動いています。

ドラマの続きは漫画の何巻から読めばいい?

原作9巻からです。ドラマは原作8巻中盤〜9巻冒頭までを再構成した範囲なので、9巻を開けばドラマ最終話の直後から追えます。電子書籍ならブックライブなどの初回クーポンで9巻だけ試すこともできます。

まとめ

壬生憲剛の「裏切り」を、事実と解釈に分けて整理しておく。

事実として作中に描かれていること

  • 京極が「生け捕りにしろ」と命じた犬飼勇人を、壬生が独断で殺害した(第79審)
  • 壬生は京極から預かった銃を持って警察へ出頭し、自首した(第79審)
  • その場で「九条が犬飼に逃亡を指示した」と供述し、九条は犯人隠避で逮捕された(第80審)
  • 同じ一手で京極も銃刀法違反で逮捕され、伏見組から絶縁された
  • 九条は勾留中に黙秘を貫き、起訴されずに釈放された(11巻)

解釈が分かれていること

  • 壬生の動機が「自衛」だったのか「九条を守るため」だったのか
  • 九条を名指しする供述までが、二人の合意事項だったのかどうか

動機について作品は答えを出していない。だから、どちらか一方を正解として覚え込む必要はないと思う。むしろ両方の読みを抱えたまま9巻を開いたほうが、あの数ページは面白く読める。

そして2027年1月8日、この一件が『映画 九条の大罪』としてスクリーンに来る。原作で先に答えを知っておくか、映像で初めて浴びるか。どちらを選んでも損はしない。

参考文献・出典

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