「面白いって評判なのに、自分はなぜか受けつけなかった」。
そんなモヤモヤを抱えて、この記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
双龍さんの漫画『こういうのがいい』は、累計320万部を突破した人気作です。それなのに、検索すると「気持ち悪い」「キツい」という言葉が並びます。
結論から言えば、その違和感はあなただけのものではありません。むしろ、はっきりと賛否が割れる作品なのです。
この記事では、なぜ「気持ち悪い」と言われるのかを5つの理由に整理し、それが少数派なのか、そしてそれでも多くの読者を惹きつける魅力はどこにあるのかまで、フラットに掘り下げていきます。
- 『こういうのがいい』が「気持ち悪い」と言われる5つの具体的な理由
- その評価は少数派なのか、賛否が割れる構造はどうなっているのか
- それでも320万部売れる、この作品の本当の魅力
- 実写ドラマ版の評価と原作との違い
- 自分に合うかどうかを見極めるための判断材料
そもそも『こういうのがいい』はどんな漫画?——賛否が生まれる前提を整理
賛否を語る前に、まずは作品の前提を押さえておきましょう。
『こういうのがいい』は、双龍さんが原作・作画ともに一人で手がける漫画です。集英社の「となりのヤングジャンプ」で2020年10月16日から連載が始まり、現在も連載中。最新刊は2026年5月19日発売の13巻です。
主人公は、過去の恋愛で束縛にウンザリしていた在宅ワーカーの男性・村田元気。ヒロインは、ファミレスでアルバイトをしながらゲーム配信もしている女性・江口友香です。
二人はオンラインゲームのオフ会で出会い、その日のうちにラブホテルへ向かいます。そして以降、「恋人でも友達でもセフレでもない」関係を続けていくのです。
作中ではこの関係を「フリーダムフレンド(フリフレ)」と呼びます。お互いに干渉せず、束縛もせず、それでいて心地よい距離感を保つ——この設定こそが、賛否を生む最大の土台になっています。
「ちょうどいい関係」と感じる人もいれば、「都合がよすぎる」と感じる人もいる。同じ設定が、読む人によって正反対に響くのです。
『こういうのがいい』が気持ち悪いと言われる5つの理由
ここからが本題です。
レビューやSNSの声を整理すると、「気持ち悪い」「キツい」という感想は、大きく5つの理由に分けられます。順に見ていきましょう。
ここから先は作品の設定や描写に触れます。
まだ読んでいない方は、先に試し読みをしてから戻ってくると理解が深まります。

理由1:ヒロイン江口友香のキャラ造形が非現実的
最も多く挙がるのが、ヒロイン・江口友香のキャラクター造形への違和感です。
友香は、いわゆる「おっさんのような口調」で話し、オタク用語やネットスラングを多用します。さらに、下着姿で部屋を歩き回ったり、性に対して非常に奔放な言動を見せたりします。
こうした描写に対して、特に女性読者から「現実にこんな女性はいない」「いなさすぎて逆に怖い」という声が上がっているのです。
なぜ怖いと感じるのか。それは、友香が「実在する誰か」ではなく「作り物の理想像」に見えてしまうからです。リアルさを期待して読むと、その作為性が一気に違和感へと変わります。
理由2:男性目線の願望充足が露骨
二つ目は、物語全体が村田の視点で進むことへの違和感です。
「後腐れなく関係を持てる、性に奔放な美女が向こうから現れる」。この構図そのものが、男性側の願望をそのまま具現化したものに見える、という指摘です。
理想の女性像が、男性キャラの欲望に合わせて柔軟に振る舞う。その都合のよさが目につくと、「これは男の理想の押し付けでは?」という感覚が生まれます。
タイトルの『こういうのがいい』も、結局は村田にとっての「いい」ではないか。そんな読み解きが、否定派の間で語られています。
理由3:性的描写・下ネタの多さと軽さ
三つ目は、性的な描写や下ネタの会話が多いことへの抵抗感です。
二人の関係はセックスを前提に始まります。そのため、性的な話題が会話の中心になる場面も少なくありません。
純粋な恋愛漫画を期待していた読者にとっては、この軽さや直接さが「下品」「軽薄」と映ることがあります。なぜ軽さが拒否反応を生むのかと言えば、性をカジュアルに扱う描写が「人と人との関係を軽んじている」というメッセージに見えてしまうからです。感情の積み重ねより先に身体の関係がある——その順序自体に拒否反応を示す人もいるのです。
理由4:感情が希薄で無責任に見える
四つ目は、関係性そのものへの疑問です。
「フリーダムフレンド」という耳ざわりのよい言葉。しかし否定派から見れば、これは「感情的な責任を回避しているだけ」に映ります。
相手に深入りせず、傷つけ合わない。それは優しさのようでいて、実は本気で向き合うことから逃げているのではないか。「セフレを美化しているだけでは」という批判が、ここから生まれます。
「本当に、人はそんなに感情を切り分けられるものなのか」。この根本的な疑問が、モヤモヤの正体になっている読者も多いはずです。
理由5:「都合のいい女」問題と女性の主体性の不在
五つ目は、四つ目とも重なる構造的な批判です。
友香は、村田の求めに常に応じる存在として描かれます。そのため「都合のいい女」に見えてしまい、彼女自身の葛藤や主体性が描かれていない、という指摘があります。
「フリフレは対等な関係」と作品は示しているはずなのに、実際には男性側の都合ばかりが優先されているように見える。この非対称性が、女性読者の違和感を決定的なものにしています。
【結論】: 「気持ち悪い」と感じたなら、その感覚を無理に押し殺さなくて大丈夫です。
実は筆者も、最初は1巻の途中で「無理かも」と離脱した一人でした。なぜなら、友香の言動が作り物めいて見えて、村田に都合よく振る舞っているように感じたからです。けれど、その違和感を「友香個人」ではなく「男性目線の願望充足という構造」への違和感だと言語化できたとき、作品の見え方が少し変わりました。あなたのモヤモヤにも、必ず理由があります。
「気持ち悪い」は少数派?多数派?——賛否が真っ二つに割れる構造
ここで一つ、不思議なことに気づきます。
これだけ「気持ち悪い」と言われながら、累計320万部を突破しているという事実です。批判が多いなら、なぜこんなに売れているのでしょうか。
答えは、「気持ち悪い」が少数派でも多数派でもなく、評価がきれいに二分しているからです。
否定派の多くは、この作品に「リアルな人間ドラマ」を期待しています。だからこそ、友香の非現実性や男性目線の都合のよさが、許せない欠点として目につきます。
一方の肯定派は、この作品を「フィクションとして」割り切って楽しんでいます。理想化されたキャラクターも、ご都合主義的な関係も、エンタメとして受け入れているのです。
つまり、同じ描写を見ても「リアルを求めるか」「フィクションとして楽しむか」という読み方の違いで、評価が正反対に分かれる。これが賛否両論の正体です。
どちらが正しいという話ではありません。あなたが「気持ち悪い」と感じたなら、それはあなたがこの作品にリアルさや誠実さを求めていた、という証でもあるのです。
【結論】: 「気持ち悪い=駄作」と決めつけるのは、少しもったいないかもしれません。
なぜなら、この作品は「万人受けする良作」ではなく「刺さる人にははっきり刺さる作品」だからです。合わない人がいるのは当然で、それは作品の質の低さとは別の問題です。自分に合うかどうかは、人の評価ではなく自分の感覚で確かめるのが一番です。
それでも320万部売れる『こういうのがいい』本当の魅力
否定的な声ばかりを並べてきましたが、それだけでは320万部という数字は説明できません。
ここからは、肯定派がこの作品に惹かれる理由を見ていきましょう。
まず挙がるのが、双龍さんの画力とキャラクターデザインです。これは否定派でも「絵は好き」と認める声が多いほど。柔らかく洗練されたタッチが、作品の独特な空気感を支えています。
次に、セリフを削ぎ落とした「間」の表現です。
この作品は、説明的なセリフが少ないのが特徴です。沈黙や視線、何気ない日常の動作で感情を伝える——その余白が、読者の想像力を刺激します。日常をただ切り取ったような、リアルな空気感に魅力を感じる読者は少なくありません。
そして三つ目が、恋愛のラベリングに疲れた現代の価値観への共感です。
「彼氏彼女」「セフレ」「友達」。そうした既存の枠に当てはめず、ただ心地よい関係を続けていく。この自由さに、「こういうのも、ありかもしれない」と共感する読者がいるのです。
特に、過去の恋愛で重い束縛や干渉に疲れた経験がある人ほど、二人の「踏み込みすぎない優しさ」が刺さります。村田と友香は、相手を変えようとしないし、所有しようともしません。その姿勢に「理想」を見る読者がいるのも自然なことです。
つまりこの作品は、欠点として批判される要素が、見方を変えれば魅力にもなる。同じ「干渉しない関係」が、ある人には「無責任」に、別の人には「優しさ」に見える。賛否が割れるのは、それだけ尖った個性を持っている証拠とも言えます。
文字だけでは伝わりにくいこの「間」の表現は、実際にページをめくってみないと体感できません。気になった方は、各電子書籍ストアの無料試し読みでその空気感を確かめてみるのがおすすめです。
実写ドラマ版はどうだった?原作との違い
『こういうのがいい』は、2023年に実写ドラマ化もされています。
放送は2023年10月から12月まで、ABCテレビにて全8話。配信はDMM TVで独占配信され、TVerでは見逃し配信も行われました。
キャストは、村田元気役を西山潤さん、江口友香役を田中美麗さんが演じています。脇を固めるのは、岸明日香さん、冨手麻妙さん、青山凌大さん、ほしのディスコさん、大谷凜香さんといった面々です。
ドラマ版は、原作が持つ「束縛のない男女の関係」というテーマを、実写ならではの空気感で描きました。
興味深いのは、漫画で「非現実的」と批判された友香のキャラクターが、実写で生身の俳優によって演じられることで印象が変わった点です。漫画では作り物めいて見えた言動も、人間が演じると感情の温度が加わります。そのため「漫画より受け入れやすかった」という声も一部にありました。
一方で、原作の魅力だった「セリフを削いだ間」は、実写では再現が難しい要素です。原作の独特な空気感が好きな方は、実写でどう表現されたかを見比べてみると、改めて漫画版の特異さに気づけるかもしれません。
『こういうのがいい』を電子書籍で読むならどこがお得?
「賛否は分かったけれど、結局自分はどう感じるんだろう」。
そう思った方は、まず無料の試し読みで自分の感覚を確かめるのがおすすめです。この作品は人の評価より、自分の目で判断するのが一番だからです。
主要な電子書籍ストアでは、無料試し読みや初回クーポンが用意されています。以下に主なサービスを比較しました。
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賛否が割れる作品だからこそ、いきなり全巻買うのではなく、まず1巻を試し読みしてから判断するのが賢い読み方です。自分に合うと感じたら、初回クーポンを使ってお得に読み進めていきましょう。
【結論】: 合うか不安な作品ほど、無料試し読みをフル活用してください。
なぜなら、この作品は最初の数ページで「無理」か「好き」かがかなりはっきり分かれるからです。筆者も試し読みで一度離脱しましたが、後から読み返して印象が変わりました。お金を払う前に、自分の感覚を確かめておくと後悔しません。
よくある質問(FAQ)
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まとめ
『こういうのがいい』が「気持ち悪い」と言われる理由は、大きく5つでした。
①江口友香のキャラ造形の非現実性、②男性目線の願望充足の露骨さ、③性的描写の多さと軽さ、④感情の希薄さと無責任さ、⑤「都合のいい女」問題と女性の主体性の不在。これらが複層的に重なり、特にリアルさを求める読者の違和感を生んでいます。
一方で、双龍さんの画力や「間」の表現、現代的な価値観への共感によって、320万部を超える支持を集めているのも事実です。
つまりこの作品は、合う人と合わない人がはっきり分かれる「賛否両論型」の漫画です。
あなたが「気持ち悪い」と感じたなら、その感覚は間違っていません。でも、もし少しでも気になっているなら、人の評価ではなく、まず試し読みで自分の感覚を確かめてみてください。意外な発見があるかもしれません。
参考文献・出典
- こういうのがいい – Wikipedia – 作品基本情報・連載状況
- こういうのがいい(漫画) – マンガペディア – 登場人物・あらすじ
- TVドラマ化記念!『こういうのがいい』スペシャルインタビュー – となりのヤングジャンプ – 実写ドラマ・キャスト情報
- 双龍「こういうのがいい」ドラマ化、村田元気役は西山潤&江口友香役は田中美麗 – コミックナタリー – ドラマ化キャスト発表
- 西山潤×田中美麗『こういうのがいい』10月より放送 – リアルサウンド – ドラマ放送・配信情報
- こういうのがいい 第1巻〜第13巻(双龍/集英社 ヤングジャンプコミックス)
