「最後の赤ちゃんのシーン、あの∞みたいな手の動きの意味がわかりますか?」
映画『この子は邪悪』を観終わって、頭の中が「?」だらけになった方は多いはず。退行催眠による魂の入れ替え、衝撃のラスト、そしてタイトルの「この子」が誰を指すのか——私も初見では全くついていけませんでした。
この記事では、ホラー・サスペンス映画専門ライターの私・松本ゆかが、『この子は邪悪』を2回観て気づいた全ての謎を解説します。
- ラストシーンの赤ちゃんが∞サインをする本当の意味
- タイトル「この子は邪悪」の「この子」が指すダブルミーニング
- 退行催眠による魂の入れ替えの仕組みをわかりやすく解説
- 司郎が魂交換を始めた本当の動機
- Amazon Prime Videoで今すぐ視聴できる方法
ここから先はネタバレを含みます!
まだ映画を観ていない方は、先に本編をご覧になることを強くおすすめします。
主要登場人物と相関関係【図解】

まず、複雑な登場人物関係を整理します。
| 登場人物 | 演者 | 役割 |
|---|---|---|
| 窪花(くぼ・はな) | 南沙良 | 主人公・長女。家族を守ろうと行動する |
| 四井純(よつい・じゅん) | 大西流星 | 男子高生。母が奇病にかかり調査を始める |
| 窪司郎(くぼ・しろう) | 玉木宏 | 父・心理療法師。魂交換技術の開発者 |
| 窪繭子(くぼ・まゆこ) | 桜井ユキ | 母。交通事故で意識不明になる |
| 窪月(くぼ・つき) | 渡辺さくら | 次女。事故で顔に大火傷を負う |
【結論】: 登場人物の関係と「誰の魂がどこにいるか」を最初に整理することが、この映画を理解する唯一の道です。
なぜなら、私は初見で司郎が「どの患者」に「誰の魂」を入れたのか全く追えなかったからです。映画を観た翌日、A4の紙に「花・純・司郎・繭子・月」の名前を書き、矢印で魂の移動を書き込みました。そうして初めて、「今の繭子は別人の体に入った繭子の魂」という構造が見えてきた。魂の地図を持つことが、この映画を楽しむ第一歩です。
この子は邪悪 あらすじ全解説(ネタバレあり)
5年前の交通事故と家族の崩壊
物語の起点は5年前の交通事故。心理療法師・窪司郎の家族は、その事故で崩壊の危機に陥りました。
- 妻・繭子:意識不明の重体
- 次女・月:顔に大火傷を負う
- 花(長女):精神的なトラウマ
そして現在。繭子は家に帰ってきましたが、何かがおかしい。月の顔の傷は消えています。家族全員が「普通」を装っているが、何かが違和感を覚えさせる。
町に蔓延する「奇病」の正体
同時に、町では不思議な病気が蔓延し始めます。
「奇病」の症状:
- 目が充血し、赤くなる
- 言葉を失い、意思疎通ができなくなる
- 四つん這いになり、まるで動物のように行動する
この奇病に、四井純の母も罹患。純は母を救うために調査を始め、司郎の診療室が関係していることを突き止めます。
司郎の診療室の秘密
純の調査によって、奇病の正体が判明します。
奇病の正体:魂をウサギと入れ替えられた人たち。
司郎は心理療法士として「治療」の名目で患者に退行催眠をかけ、人間の魂とウサギの魂を入れ替えていたのです。魂が抜かれた人間は奇病患者として廃人化し、ウサギの魂が入ったウサギたちが各地で目撃されていました。
クライマックス——真実が明かされる
花は父・司郎の行為を知り、対峙します。そこで司郎は告白します。
「子供を虐待する親たちから救うために仕方なくやった。お前の母もお前を虐待していた」
しかし本当の理由は、愛する家族——繭子と月——を救うためでした。事故で瀕死となった繭子と月の魂を、他者の体に移すことで生き延びさせた。今の「繭子」と「月」は、別の体に移された魂なのです。
司郎は、愛する家族のために何人もの無関係な人を犠牲にしてきた——それが真実でした。
退行催眠による「魂の入れ替え」の仕組みを徹底解説
この映画最大のキーとなる「退行催眠による魂の入れ替え」を、わかりやすく解説します。
退行催眠(回帰催眠)とは?
退行催眠とは、催眠術の一種で、被催眠者の意識を過去——幼少期や胎児期まで遡らせる技法です。現実の心理療法でも使われる手法で、過去のトラウマを癒やす目的で行われます。
司郎が発見した「秘密」
司郎はこの退行催眠を極端な形で使い、胎児期(母胎の中)まで退行させるという実験を行いました。
そこで発見されたのが——胎児期まで退行させると、魂が非常に不安定な状態になるという事実。そしてその「不安定な状態」のとき、他の魂と入れ替えることができる、と。
なぜウサギ?
「なぜウサギと人間の魂を交換できるのか?」という疑問に、映画内では「ウサギと人間の魂は交換しやすい特性がある」という説明がなされます。ウサギは古来から「不思議な存在」として象徴的に描かれることが多く、本作でも「魂が宿りやすい動物」として選ばれています。
奇病患者たちの正体
奇病患者たちは、司郎に退行催眠をかけられ、魂をウサギと入れ替えられた人たちです。
- 人間の体:ウサギの魂が入っている(四つん這いになり言葉を失う)
- ウサギの体:人間の魂が入っている(各地で目撃される黒いウサギたち)
【結論】: 「退行催眠=時間を胎児期まで遡らせる」という点を押さえるだけで、この映画の理解度が劇的に上がります。
なぜなら、私は初見でこの仕組みを全く理解していなかったからです。「なんで催眠で魂が交換できるの?」と混乱したまま観ていました。2回目の鑑賞前に「胎児期まで遡ると魂が不安定になる」という設定を理解した上で観ると、司郎の各行動の意味が全て腑に落ちました。
衝撃のラスト徹底解説——最後の赤ちゃんの意味
司郎の死の直前に何が起きたか?
物語のクライマックス。月は真実を知り、司郎を刺します。
致命傷を負った司郎。しかし——彼はその瞬間も「退行催眠」を使いました。
ターゲットは:妻・繭子の腹の中にいる、まだ生まれていない赤ちゃん。
胎児は生まれていないため、完全に胎児期の状態。つまり魂が最も不安定な状態です。司郎は死の直前に、自分の魂を赤ちゃんと入れ替えたのです。
- 司郎の体:赤ちゃんの魂が入り、死亡
- 赤ちゃんの体:司郎の魂が入って生まれてくる
∞サインの意味
最後のシーン。生まれたばかりの赤ちゃんが、産声と共に小さな手を動かします。
——∞。
あの、司郎が催眠をかけるときに使っていたサインと、全く同じ軌跡で。
赤ちゃんの体に入っているのは、確かに司郎の意識である——その証明が、この手の動きです。ゾッとするほど精密な伏線回収。「なんか赤ちゃんが手を動かしてたな」と思っていたあのシーンが、全ての謎への答えだったのです。
タイトル「この子は邪悪」の謎——ダブルミーニング考察
タイトル「この子は邪悪」の「この子」は、一体誰を指すのか?
解釈①:赤ちゃん(司郎の魂を持つ)
最もわかりやすい解釈は、司郎の魂が宿った赤ちゃんです。
邪悪な心理療法師・司郎の意識が、無垢な赤ちゃんの体に入って生き続ける。外見は純粋無垢な赤ちゃんだが、中身は「邪悪な男」——まさに「この子は邪悪」。
解釈②:花(南沙良)のダブルミーニング
しかし、もう一つの解釈があります。
映画の中盤、花は純がウサギ化していること——つまり、純の魂がウサギに奪われ廃人同然になっていることを知ります。純は花を信じていた。でも花は動かなかった。「家族を守るため」という一点で、純の命を見捨てた。その冷徹さは、父・司郎が「家族のため」に他者の魂を奪ったときの顔と、どこか重なります。
タイトル「この子は邪悪」は、花にもかかっているのかもしれない。愛する者のために他者を傷つけることができる「邪悪さ」は、司郎だけのものではなかった、というメッセージ。
【結論】: タイトルが「赤ちゃん+花」のダブルミーニングだという考察に気づいたとき、この映画が単なるサスペンスではなく、「人間の邪悪さとは何か」を問う作品だったと気づきました。
なぜなら、花は「家族のため」という同じ動機で純を見殺しにしているから。司郎を糾弾できる立場に、果たして花はあるのか?この問いが映画全体を貫いています。
この子は邪悪を見るならどこがお得?【VODサービス比較】
| サービス名 | 月額料金(税込) | 無料試用期間 | 配信状況 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| Amazon Prime Video | 600円 | 30日間 | ◎ 見放題 | ★★★★★ |
| U-NEXT | 2,189円 | 31日間 | ◯ 配信あり | ★★★★☆ |
※ 配信状況は変動する場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
コスパで選ぶならAmazon Prime Videoがおすすめ。 月額600円で見放題配信中です。謎解き完了後にもう一度観直すと、ラストの∞サインをはじめ、全シーンが全く違う意味に見えてきます。
よくある質問(FAQ)
まとめ:「この子は邪悪」が問いかけるもの
最後に、この映画の核心を整理します。
- ラストの意味: 司郎は死の直前に胎児と魂交換。生まれた赤ちゃんに司郎の魂が宿っており、∞サインがその証明
- タイトルの謎: ①司郎の魂を持つ赤ちゃん ②家族のために純を見殺しにした花——どちらにもかかるダブルミーニング
- 魂交換の仕組み: 退行催眠で胎児期まで遡らせると魂が不安定になり交換可能
- テーマ: 「愛する者を救うために犯す罪」——その邪悪さは司郎だけのものか?
謎解きが終わったら、ぜひもう一度観直してみてください。ラストの∞サインの意味を知った上で観ると、最初のシーンから全てが伏線に見えてきます。
参考文献・出典
- 映画『この子は邪悪』公式サイト – Happinet Phantom Studios
- この子は邪悪 – Wikipedia – Wikipedia
- 映画.com 作品情報 – 映画.com
- 映画ナタリー 作品情報 – 映画ナタリー
- ネタバレ考察記事 – teraniht blog, 2022年
- タイトルの謎考察 – えるままのシネマdeお茶会, 2023年
